「渓流ベイトフィネスリール」バックラッシュが頻発して使い物にならない場合の対処法

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渓流ルアーでベイトタックルを使用するメリットは、スピニングタックルに比べて比較的簡単にピンスポットにルアーを打ち込むことができたり、ルアーの回収後すぐにキャスト動作に入ることができるといった手返しの速さがありますが、ベイトタックルはキャスト時にロッドにルアーウェイトをしっかり乗せないとバックラッシュが起こってしまうという難しさもあります。

スピニングリールは、固定されたスプールにラインが巻いてあるので、よほどのことがない限りキャスト時にバックラッシュなどのライントラブルは発生しにくいのですが、ベイトリールの場合はスプールが回転してラインを放出する仕組みのため、ラインの放出スピードよりもスプールの回転速度が早ければすぐにバックラッシュしてしまいます。

特に、渓流ベイトのような5g以下のルアーを使用することが多い場合は、バックラッシュの頻度はさらに高くなります。

そこでバックラッシュが起こりにくいブレーキ調整やキャストの方法を詳しく解説していきます。

目次

バックラッシュしないベイトリールなんて存在しない

渓流ベイトフィネスを始めたい初心者の方は、まずバックラッシュしないベイトフィネスリールを検索すると思います。

しかし、そもそもスプールが回転することによってラインを放出するシステムであるベイトリールにバックラッシュしないものなど存在しません。

それは、ルアーをより遠くへ飛ばすために、軽い力でもスプールが回るように設計されているからです。

これがどういう意味かというと、スプールが回転する際に摩擦力が強いとルアーを飛ばすことができないからで、ルアーフィッシングで使用するキャスティング用のベイトリールは必ずブレーキが付いていて、ブレーキによる摩擦力の強弱がスプールの回転速度とラインの放出速度のバランスを取る役割を担っています。

ベイトフィネスリールはバックラッシュのリスクが高い

ベイトフィネスリールは、5g以下のより軽いルアーを投げられるように設計されていて、軽いルアーを投げられるようにするためスプールがとても軽くできています。

そのため、キャスト時にスプールが回転する初速が非常に早く、慣れないうちは通常ののベイトリールよりバックラッシュが起こりやすくなっています。

しかし、裏を返せば、スプールの回転を抑えるなどリール自体をバックラッシュが起こらない構造にしてしまうと、軽量ルアーをキャストできるベイトフィネスリール本来の使い方を損なってしまうわけです。

ネットの情報は信頼性の低いものもある

バックラッシュしないベイトフィネスリールを検索すると様々なサイトが出てきますが、検索上位のサイトでお勧めされているベイトフィネスリールの中にスコーピオンDCがありました。

余談になりますが、シマノ独自のDCブレーキシステムは、ラインの放出速度によってスプールの回転速度を制御してバックラッシュを軽減させるもので、シマノがリリースしているBFSシリーズ(ベイトフィネス専用機)四機種には搭載されていません。

理由はDCブレーキシステムで渓流で使うような3gなどといった軽量ルアーをキャストすると、終始ブレーキがかかった状態となりルアーはほとんど飛ばないからで、DCブレーキはフィネスでは全く必要のない機能です。

ちなみに、スコーピオンシリーズにはBFS機もリリースされていて、ベイトフィネスを楽しむには、スコーピオンDCではなくこちらを選択しないと、あとで必ず後悔をすることになります。

渓流ベイトフィネスリールのバックラッシュが起こるメカニズムと回避方法

ベイトリールの構造上、バックラッシュを起こさないベイトリールは存在しないことを知っていただいたところで、渓流ベイトフィネスリールのバックラッシュが起こる原因と軽減させる方法を解説していきます。

バックラッシュが起こる原因

スプールにある程度重量があるフィネス機以外のベイトリールは、どんな形であれキャスト時にロッドにルアーウェイトさえ乗せてしまえば、ラインが放出する力に引っ張られる力によってスプールの回転が追い付いてくるような形になるので、フィネス機に比べてバックラッシュが起こりにくいものです。

一方でベイトフィネス機は、回転性能を上げるためにスプールが非常に軽くできているため、ラインの放出速度とスプールの回転速度の差がほとんど生じず、常にギリギリのところでキャストしている状態になります。

そのため、その少しの誤差がきっかけでラインが浮き上がり、そのままスプールに逆向きに巻き込まれるバックラッシュが発生してしまいます。

ブレーキ調整でバックラッシュを回避する方法

ベイトリールのバックラッシュ回避に最も重要なポイントの一つはブレーキの調整です。

とはいえ、初めてベイトリールを使う方にとってはブレーキの調整やキャストの方法など、わからない事ばかりですから、慣れるまでは外部ダイヤルのブレーキの強さを中間と最強の間に設定します。

そして、ハンドル側に付いているメカニカルブレーキは、クラッチを切った時にルアーが勝手に落ちていかないギリギリのところで設定します。この状態だとほとんどバックラッシュは発生しないので思い切ってキャストしてみると良いでしょう。

強いブレーキ調整ではルアーは飛ばない

上記で解説した通り、ブレーキを締めてバックラッシュしないように調整することは可能ですが、それだと軽いルアーであるが故に数メートルしか飛ばない、極端に言えば足元しか狙うことができないといった事態になってしまいます。ですから、外部ダイヤルとメカニカルブレーキ共に少しずつ弱めていき、ある程度の飛距離が出せるブレーキ設定でキャストができるようになる練習が必要です。

渓流ルアーフィッシングに飛距離は必要ないといわれていますが、10m投げられるセッティングで5m先のポイントを狙うのと、5m投げられるセッティングで5m先のポイントを狙うのとではキャスト精度にかなりの差が生じてしまいます。

つまり、5m先のポイントに撃ち込むには10mキャストできる方が有利ですし、20mキャストできる方がもっと有利なわけで、飛距離に余裕がないキャストでは、近距離であれば近距離であるほど狙いたいポイントにルアーを入れることが難しくなるのです。

サミングは必ず行う

ベイトリールの基本「サミング」は、早すぎるスプールの回転をコントロールするのと、ルアーを着水させたい位置でラインの放出を止める方法ですが、どちらもキャストした手の親指で軽くスプールを抑えて行います。

渓流ベイトフィネスの場合は、よく言われるキャスト中にバックラッシュしそうな時に親指でスプールの回転を抑えるサミングではなく、着水させたいポイントでスプールの回転を完全に止めてルアーを着水させるサミングをメインに行います。

もちろんキャスト中にバックラッシュしそうな時にサミングを行えばバックラッシュを防ぐことはできますが、キャストから着水までの時間が非常に短い渓流ベイトフィネスでは、慣れない内はサミングに気を取られて狙いたいポイントにルアーを着水させることが難しくなるので、キャスト中にバックラッシュしそうな時はブレーキの調整で対処した方がコントロールが上手くいきます。

大半はキャスト技術の問題

ベイトフィネスリールがバックラッシュするのは、リールの性能やラインシステムなどのタックルバランスによる影響も多少ありますが、原因の大半はキャストの問題で、ルアーのウェイトがロッドに乗っておらず、遠心力で投げている場合が大半です。

スピニングロッドに比べて、ベイトロッドは張りが強く、キャスト時に竿をしっかり曲げなければ飛距離が出ないですが、振りかぶって竿を強くすればある程度曲がるものの、それではラインの放出速度が遅くスプールだけが猛烈に回ってしまうため、たちまちバックラッシュを起こしてしまいます。

慣れてくれば遠心力で投げていてもバックラッシュが起こりにくい投げ方ができるようになりますが、ロッドにルアーウェイトを乗せてしっかり曲げてキャストする方法よりキャストコントロールが難しくなる上、飛距離も出にくくなってしまいます。

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ラインの巻き量も影響する

ほとんどのベイトフィネスリールの糸巻き量は最大で40~50m程度です。

ベイトリールはラインを多く巻けば巻くほどスプールの重量が増え、バックラッシュしやすくなります。フィネス機も同様で、キャストができているのにバックラッシュを起こすようならラインの巻き量を減らしてみるのも一つの解決策といえます。

僕は普段PEライン35m+ナイロンリーダー1.5mほどのセッティングで楽しんでいて、およそ20投に一回くらいの割合でバックラッシュしますが、ラインの巻き量を20mまで落とすとほとんどバックラッシュを起こすことはありません。

ラインの巻き量を減らしてもバックラッシュの頻度が変わらない場合は、キャストに原因があることがほとんどなので、キャストの見直しを行うしかありません。

リーダーの結束部分がガイドに引っかかる

渓流ルアーフィッシングのリーダーの結束方法は色々ありますが、結び目が大きいものだとキャスト時のガイドへの摩擦抵抗が大きくバックラッシュを起こす場合があります。

しかし、電車結びなどの結び目が大きく太くなる結束方法でも、キャストが上手くなると結び目が原因でバックラッシュを起こすことはあまりありません。

その他、リーダーの長さも多少影響する場合もありますが、そのような場合は結び目がスプールの中に入るくらいのロングリーダーにすると改善されることがあります。

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柔らかいロッドを使用する

最近はヘビーシンキングミノーの人気で操作性の高い高弾性のロッドが多くなっています。高弾性ロッドは、反発が強く曲がったところから戻るが早いので、ルアーのリリースポイントが狭くタイミングを取るのが難しくなる傾向があります。

あまりおすすめしませんが、何度練習してもバックラッシュを克服できない場合は、グラスロッドなど柔らかいロッドで練習して、テイクバックの際にロッドにルアーウェイトを乗せる感覚を掴む練習をすると良いでしょう。

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渓流ベイトフィネスリールでバックラッシュを起こさないキャスト方法

バックラッシュを起こさないキャスト方法は、ロッドの弾力を使うことで、振りかぶった際にキャストしたい方向の反対側にロッドをしっかり曲げてあげることが必要で、渓流トラウトのようにワンハンドキャストが主流の軽いタックルの場合は、腕で振りに行かず手首のスナップを使ってロッドの反発力を活かすとかなりバックラッシュが軽減できるようになります。

手首を返しテイクバックを行った際に後方でピタッと止めるとルアーの重さを感じると思います。ルアーの重さが加わるとロッドは自然に曲がり、曲がった分戻ろうとする力が働きます。

その曲がった分戻ろうとする力を利用してキャストすると、余計な力も要らず飛距離も出せるようになります。

渓流ベイトフィネスリールのバックラッシュ克服は常に攻めの姿勢で

僕も初めてベイトリールでキャストした時はひどいものでしたし、今でも渓流では当たり前のようにバックラッシュします。

ですが、何回もバックラッシュしている内にバックラッシュしない投げ方を体で覚えていきますし、キャストした瞬間にバックラッシュするキャストミスだと判断できるようになるため、被害を最小限に抑えることもできますし、もちろん飛距離も出せるようになってきます。

そして、ベイトリール全般に言えることですが、ブレーキ調整は常にギリギリを攻める姿勢でいくと上達が早くなります。たとえバックラッシュしてしまっても、経験を積んでいけば最初の頃のような再起不能なほどのバックラッシュを起こすキャストミスも少なくなるので、何度も何度もキャストと様々なセッティングを試しバックラッシュするギリギリのブレーキ設定の限界値を少しずつ上げていけばキャストはどんどん上達していきます。

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