初心者必見!渓流ベイトフィネスのキャスティング練習方法

渓流ベイトフィネスを始めたけど、ピンポイントにルアーを入れるどころかバックラッシュしてばかりでどうしようもない!なんて人はいませんか?
ベイトフィネス用のリールはスプールが軽量なため回転の初速が非常に早く、ちょっと油断するとすぐにバックラッシュしてしまいますが、バックラッシュしないようにブレーキをきつくすると、今度は飛距離が出なくて狙いたいポイントまでルアーが届かない!なんてこともよくありますよね。

✔記事の内容
  • 渓流ベイトフィネスの基本的なキャスト4種類をマスターするコツ
  • 渓流ベイトフィネスでバックラッシュを起こさないキャストができるようになる方法
  • 渓流ベイトフィネスを楽しむために必要なキャスティングの知識

 

この記事では、渓流ベイトフィネスでスムーズにキャストができるようになる練習方法を紹介します。

目次

渓流ベイトフィネスのキャストは二通りの人がいる

渓流ベイトフィネスに限らず、ベイトタックルを使ったキャストはロッドの特性に合わせた二つのパターンがあります。

自分の使用しているロッドの特性について理解していないと、せっかくいいロッドを持っていても性能を最大限に発揮することができず、キャストもままならなくなることがあります。

ロッドの反発を使って素早くキャストする方法

体の後ろ側に振りかぶるテイクバックを素早く急激に止め、ロッドの曲がりが戻るタイミングでリリースまで持って行く方法です。

これは硬めで反発力が強めに設定されたカーボンロッドを使うアングラーに多く、テイクバックからリリースまでのスピードが速いのが特徴で、比較的遠投力のあるキャスト方法です。

筆者は主にこちらのキャストで渓流ベイトフィネスを楽しんでいます。よろしければ参考にしてみてください。

ロッドにルアーウエイトを乗せたままキャストを行う方法

グラスロッドなどの柔らかいロッドを使い、ティップ(穂先)が入る感覚を残したままリリースする方法で、結果的には反発力を使ってキャストするのですが、上記の素早いキャストに比べてスイングがソフトで、ベイトリール最大の難関であるバックラッシュを防ぐことに集中したキャストといえます。

ロッドが柔らかく反発力が低いので小さな曲がりでもキャストでき、狭いポイントでのフリップキャストなど、近距離のピン撃ちなどに優れたキャスト方法です。

キャストのコツと基本姿勢

基本姿勢は軽く膝を曲げ、余計なところに力が入らない楽な姿勢で投げると良いでしょう。

渓流では非常にルアーのキャスト精度が重要なため、コントロールのブレを減らすには、できるだけコンパクトにロッドを振る必要があります。キャストのコツは、腕全体でロッドを振るのではなく、脇を閉めて肘から先のみでロッドの軌道を作り、手首のスナップでロッドを曲げるイメージです。コントロールのブレを減らすには、できるだけコンパクトにロッドを振る必要があります。

ダメな例

どちらのキャストが正しいというわけではなく、どちらにもメリットデメリットがあるので、最終的には自分の好みやロッドの性質に合ったキャストができるようにすることが大切ですが、場合によってはダメな例もあります。

それは、ロッドを曲げずに遠心力でキャストしている投げ方で、サイドキャストでもオーバーヘッドキャストでも、遠心力でキャストするとロッドの振り幅が大きくなりルアーが飛び出す初速が非常に速い割に失速するのも早くなるため、飛距離を出せないキャストになってしまいます。

POINT

キャスト直後はルアーの初速に合わせてスプールも回りますが、スプールの回転が収まる前にルアーが失速するとラインの放出が止まった後もスプールが回り続け、たちまちバックラッシュを起こしてしまいます。

中にはバックラッシュが起こらないようにブレーキをきつくしすぎたり、テイクバックを行わず手首を前に押し出すように投げるようになってしまう人もいます。

そうなると飛距離を失ってしまうだけでなく、サミングのタイミングやキャストコントロールさえも難しくなり、比較的楽ににピンポイントにルアーを入れられるといったベイトフィネス最大の利点が失われてしまいます。

渓流ルアーに飛距離は必要ないがある程度飛ばせる技術は必要

渓流ルアーに飛距離は必要ないという逃げ道を作るのは簡単ですが、必要最低限の飛距離(15m以上)は楽に出せる方がサミングを行うまでの時間的余裕もできるので、結果的にミスキャストの数も減ってきます。

POINT

同じ10m先のポイントを狙うのなら、20mキャストできる人と10mしかキャストできない人ではキャスト精度がまるで違うので、遠投するシーンは少なくても遠投できる技術は持っておいた方がいいといえます。

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渓流ベイトフィネスのキャスト方法

渓流ベイトフィネスの最大の利点は、狙ったポイントに正確にルアーを撃ち込みやすいところです。

大きなポイントの一つは、例外を除いてラインの垂らしをゼロにすること。渓流ベイトフィネスの場合、垂らしを作るとロッドがスムーズに曲がらない、またはロッドに加わる力が分散してしまってバックラッシュの原因となってしまうことがあります。

基本的なキャストの方法は、以下の四つに分類されます。

渓流ベイトフィネスのキャストの種類
  • オーバーヘッドキャスト
  • フォアハンド(サイド)キャスト
  • バックハンド(サイド)キャスト
  • フリップキャスト

オーバーヘッドキャスト

実はベイトタックルで一番難しいのがこのオーバーヘッドキャストです。

ある程度釣りをしたことがある人は、オーバーヘッドキャストは頭の上から下に向かって振り下ろすイメージだと思いますが、渓流ベイトフィネスのオーバーヘッドキャストは、肘を少し曲げ腕を体の真正面に出し、狙いたい方向へティップを向け、そのまま腕ではなく手首を後ろに90度返してテイクバックを行います。ロッドが顔にぶつかりそうになりますが、それだと後ろに振りすぎなのでテイクバックはなるべく小さく素早く行います。

テイクバックを行い、顔にぶつかる前にピタッと止めるとルアーの重みが一気にロッドに掛かるのがわかるので、タイミングよく前方に振り込むと、ロッドの反発が加わりルアーを遠くへ飛ばすことができます。

タイミングが難しく、慣れるまでは下に向かってルアーが飛んでしまうことが多いですが、前方ではなく斜め上を意識して投げるようにすると徐々にタイミングが合ってきます。

渓流域ではあまり使われないキャストですが、すべてのキャストの基本となるキャスト方法なので必ず習得しておきましょう。

フォアハンド(サイド)キャスト

唯一体の前方ではなく、真横でロッドを振る投げ方です。

テイクバックは脇を締めて体の正面から始めます。必ず狙ったポイントに体の正面を向けリールを上に向けたまま真横に90度テイクバックを行いピタッと止めると、ルアーの重さがロッドに伝わりロッドの反発力が生まれます。ロッドの反発力が感じられない場合は、止め方が甘いかテイクバックのスピードが足りないかのどちらかなので、改善するまで何度も素振りをするといいでしょう。

ロッドの反発する感覚がわかるようになれば、あとは前方にロッドを向けるだけでルアーは飛んでいきますが、タイミングが取りにくいキャストなので、左右のコントロールが割と難しいキャストです。何度も練習して親指を放すタイミングを掴みましょう。

POINT

リリースの際に腕を前に押し出さず、体に近い位置で手首を返してスプールを抑えている親指を離すと低弾道の鋭い軌道でルアーを飛ばすことができます。

バックハンド(サイド)キャスト

バックハンドキャストは単純にフォアハンドの逆をやればいいイメージですが、全くの別物で、ロッドを振る位置が横ではなく体の正面になります。なのでフォアハンドよりもキャスト精度が高く、渓流域では多用するキャストなので是非覚えておくと良いでしょう。

まず、狙いたいポイントに向かってロッドを向け、そのまま手首を返してテイクバックを行いロッドの反発を利用して投げます。この時リールは真上を向いていると非常に投げづらく手首の可動域も少なくなってしまうので、リールは上ではなく自分の方へ向けてテイクバックを行います。

POINT

肘を前方に出したまま手首を使ってロッドを自分の方へ引き寄せる感覚です。オーバーヘッドキャストと同じく、ロッドを引き寄せすぎると自分の体にぶつかってしまうので、肘を前に出したまま手首のスナップを利用して素早く引き寄せキャストします。上手くいかない場合は、ほんの少しだけティップを掬い上げるような感じで遠心力も加えると投げやすい場合があります。

フリップキャスト

簡単に説明すると、フリップキャストはロッドを下に振り、曲がったロッドが戻る反発力を利用してキャストする方法です。

狭い場所でのキャストが可能で最もルアーのコントロール精度の高いキャスト方法です。他のキャストは多少遠心力も加えることができるので比較的飛距離も出しやすいキャストですが、フリップキャストに関してはロッドの反発のみで投げるキャストなので、リリースのタイミングが難しく難易度は高めです。

キャストのコツは、肩と肘を少し高くしてロッドの振り幅を稼ぐことです。背の高い人は高い位置からテイクバックが取れるのでそれほど気にする必要はないですが、ロッドの長さによってはテイクバックの際、水面や地面をたたいてしまったりルアーを足元の草や木に引っ掛けてしまう場合もあるので、なるべく高い位置でテイクバックを行うのがポイントです。

多用する場面はそれほど多くないですが、習得すると今まで無理だと諦めていた狭いポイントや、障害物の下の奥の奥へとルアーを送り込むこともできるので、覚えておいて損はないキャスト方法です。

POINT

反発の強いロッドだと難易度が高いので、ブレーキを少しだけきつめにするか、柔らかいグラスロッドで練習すると感覚が掴みやすくなります。どうしても習得できない場合は、ピッチングなどでも対応できるので必ず必要となるキャストではありません。

渓流ベイトフィネスの練習ポイント

渓流魚は非常に警戒心が強く最初の一投目か二投目が勝負で、同じポイントで何度もキャストを繰り返すと全く出てこなくなることが多いので、狙ったポイントに正確にルアーを撃ち込めるような正確性が必要です。もちろんルアーの操作も大事ですが、練習してキャスト精度を上げれば必ず釣果は伸びるので、何度も練習して狙ったポイントに正確にキャストできるようにしましょう。

サミングの方法

ベイトリールは、ルアーをキャストしてから着水するまでの間に、回転するスプールを親指で止めるサミングという作業が必要で、サミングをしないとルアーが着水してもスプールが惰性で回転し続けるのでバックラッシュを起こしてしまいます。

通常のベイトリールのサミング方法は、キャストから着水までの間に軽く指を当て早すぎるスプールの回転を抑えるといった使い方をする人も多いですが、渓流ベイトフィネスに限っては、キャストから着水まで僅か数秒という短い時間なので、ルアーを着水させたいタイミングでサミングを行う使い方が多くなります。

渓流ベイトフィネスの主な練習内容は飛距離と狙った方向へのコントロールですが、狙ったところに正確にルアーを落とすために飛距離に余裕を持ちつつサミングでスプールを止めて飛距離のコントロールを練習することが最も大切です。

練習場所

練習場所は実際の渓流で行う方がより実践的で効果も高いですが、比較的ライトなタックルなので公園や空き地などでも練習できます。練習する場合は思わぬ事故を起こさないようルアーのフックは必ず外して練習しましょう。

練習しても中々うまく投げられない場合

難しくて中々うまくならない人も中にはいると思いますが、練習すれば誰でも必ず投げられるようになります。

初心者の内は直せないようなひどいバックラッシュを度々起こすこともありますが、まずは、バックラッシュが起こる契機を体で理解しないとバックラッシュは防げないので、バックラッシュを恐れず何度も練習しましょう。

重いルアーを使って練習する

6~8g程の重いルアーを使います。

リール側はスプールを締め付けるメカニカルブレーキは指を離すとゆっくりスーッと落ちていく強さに設定し、外部ダイヤルのブレーキの強さは半分より少し強めに設定して練習します。

重いルアーを使うことによって、ロッドにかかる負荷を体感できるので反発力を使えるようになるきっかけになります。大抵はこの方法で練習すればある程度投げられるようになるので、徐々にルアーを軽くしていき最終的には4g程度まで軽くしていきます。

ルアーを軽くしていくとブレーキが強すぎて飛ばないといった感覚がわかるので、外部ダイヤルのブレーキ設定を少しずつ緩くしていきます。そのまま少しずつ緩めていきバックラッシュする限界まで緩めて練習していくと飛距離はどんどん伸びていくので、後はコントロールの練習が必要ですが、そこまでキャストできるようになれば自然とコントロール技術も付いてくるので、精度を上げる練習をすれば実践でもかなり釣果が変わってきます。

スプールに巻くラインを少なくする

重いルアーを使って練習してもバックラッシュが頻発したり飛距離が出ないといった場合は、巻いているラインを10~15m程の長さにしてみます。ベイトリールの構造上、スプールに巻いてあるラインが多ければ多いほどバックラッシュを起こしやすいので、ラインキャパの半分以下の量で練習してみます。実戦で使用する飛距離はせいぜい10m程度ですから、そのままの長さで渓流で実践練習するのも上達が早くなるきっかけになります。

ラインシステムを見直す

渓流ベイトフィネスは繊細な釣りで、警戒心の強い渓流魚にはラインを細くするという考え方があります。管理釣り場などではそれでいいですが、渓流域ではラインの太さが釣果に影響することはそれほど多くないので、0.5号以下のPEラインを使っている方は、0.6~0.8号程度まで上げてもいいでしょう。

PEラインの場合、必ずリーダーを結ぶ必要がありますが、メインラインとリーダーの質が違えばガイド抜けの感覚や摩擦抵抗も違うので、最もライントラブルが発生しやすいリリース直後はリーダーがガイドを抜け、ある程度落ち着いた後にメインラインがガイドを通るロングリーダーをおすすめします。

メインラインとリーダーの結束方法によっても多少影響はありますが、キャストが上手くなればあまり気にならなくなります。キャスト時のリーダーの結び目が気になる方は、SCノットなどの結び目の小さな摩擦系ノットが結び方も簡単でおすすめです。

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渓流ベイトフィネスのキャスティング練習方法まとめ

いかがだったでしょうか。言葉だけで解説するのは非常に難しく中々伝わらないこともあると思います。

上手くいかないことがあると、どうしてもイライラしたり自分には向いてないと思うこともあるかもしれませんが、釣りはあくまでも趣味ですから、楽しむことを前提にしたいですよね。

楽しむためには練習も必要ですし、格好から入り高価なロッドやリールを使うのもステータスの一つとして、ある意味釣りを楽しむ一つの要素といえますし、たとえ安価な道具でもお気に入りのタックルで嫌なことも忘れ大自然の中で思いっきり遊ぶのも、釣り人にとって最高の贅沢ですよね。

僕もいうほど上手くはないですしバックラッシュもよく起こしますが、渓流ベイトフィネスに出会ってから渓流での釣果は劇的に伸びたので、もし悩んでいる方の手助けになれば幸いです。

最後にもう一度書かせていただきますが、上達への近道は以下の三つです。

上達への近道
  • バックラッシュを恐れない
  • ひたすら攻めの姿勢
  • 自己陶酔も大事

これから夏に向けて最高の季節ですね。大した釣果はないですが動画にも残してあるので、少しでも皆さんがたくさんの渓魚に出会えるお手伝いになれば幸いです。

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