自分もかつては渓流ベイトフィネス否定派でした「渓流ベイトフィネス歴四年のアングラーが渓流ベイトフィネスとスピニングの違いを解説」

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渓流ベイトフィネスはスピニングをまともに使えない人たちがやる釣りですと、某村田基氏が仰ってます。

村田基氏は僕も好きなプロアングラーですが、元々自分がやらないジャンルや新しいメソッドに関しては、無関心というかどちらかといえば否定的な方です。

まず、ルアーという擬似餌を使った釣りって、魚を釣る事だけが最終目的ではなく、どういう方法で魚を騙すかという過程が楽しい釣りだと思うんですよね。

もちろん、釣り人たる者やはり釣果は悪いよりいいに越したことはないというのが村田さんを含めた皆さんの本音だと思います。

釣具の進化や新しいメソッドってそういう考えや発想から出来上がってくる物で、元々バスで生まれたメソッドであるベイトフィネスを渓流に用いるのはごく自然に考えられることですが、残念なことに村田氏は渓流ベイトフィネスを完全否定しているので、渓流ベイトフィネスに興味があるけど、村田さんはこういってるからと迷ってるという方への参考になれば幸いと思い、渓流ベイトフィネスとスピニングの違いなどを持論も交えて解説していきたいと思います。

目次

渓流ベイトフィネスへの村田氏の解説

渓流ベイトフィネスはキャスト精度が高く狙ったポイントに容易にルアーを落とすことができる

冒頭で渓流ベイトフィネスに対して村田氏が全否定している動画を乗せていますが、動画が削除されていて元となる動画の内容を探しても見つからないので、村田氏の解説を覚えている範囲で紹介します。悪い意味で反響が大きかったせいか、撤回と思えるような動画もありました。

渓流ベイトフィネスはスピニングタックルの扱いが下手な人がやる釣り

村田氏の解説によると、渓流ベイトフィネスはスピニングタックルの扱いが下手な人がやる釣りだと仰っていますが、渓流でベイトタックルを使う釣りが始まった歴史はまだ浅く、何十年と渓流ルアーを楽しんできたアングラーは、皆スピニングタックルで長年渓流ルアーを楽しんできました。

しかし、何十年もスピニングタックルで釣りをしていて、障害物を避けてピンスポットに百発百中で入れられるような人でも、今ではベイトタックルに持ち替えて楽しんでいる人が増えていますし、その日の気分やフィールドの状況などで使い分ける人もいます。

ベイトとスピニングの物理的な時間差

ベイトタックルの最大の強みは手返しの速さですが、村田氏はスピニングタックルでも素早くキャストできるといっています。

ですが、スピニングリールのように片方の手の人差し指で糸を拾ってもう片方の手でベールを起こしてキャストに入る行程に比べて、ベイトタックルはクラッチ一つ押す片手だけの動作ですから、スピニングでスピードを限りなく早くすることはできてもルアーの回収後次のキャストに入るまでの時間は、物理的にベイトの方が早いということになります。

確かに、一投だけで見ればそれほど大差はないようにも見えます。しかし、キャストしながら上流へと向かう渓流ルアーフィッシングでのキャスト回数は10回や20回という少ない数ではないですし、100投や200投、またはそれ以上のキャスト回数となれば手返しの早さは絶対的にベイトの方が有利になります。

渓流でアップでキャストするとベイトでは巻きスピードが足りない

渓流ベイトフィネスは源流域の早い流れにも十分対応する

ベイトリールは巻きスピードが遅く、アップで投げると早い流れに追いつけないので使い物にならないと身振り手振りで解説していますが、ある程度渓流ルアーを楽しんでいる方はあんなに早く巻いたら魚はルアーに追い付けないと思うでしょう。

渓流魚は泳ぎがうまく動きの速い魚が多いですが、マグロやカツオのようにずっと早いスピードで泳いでいるわけではなく、どちらかというと激流よりも緩やかな流れを好み、早い流れの中でも岩や障害物の裏などの流れが穏やかな反転流に定着して体力の温存をしていることが大半です。

ですから、激流の中で流れよりも早いスピードで巻いてトゥイッチングをしたら魚は全く釣れませんし。アップでの釣りこそ巻きスピードの強弱やロッド操作を巧みに使ってルアーのスピードの変化やアクションで食わせるものなので、スピニングでもベイトでも巻きスピードを重視する人はそれほど多くはありません。

スピニングリールとベイトフィネスリールの巻取り量の比較

ちなみに、ギア比の話をされていましたので、渓流ルアーで人気のストラディックC2000SHGやバンキッシュC2000SHGと渓流ベイトで人気のアルデバランBFSやカルカッタコンクエストBFSのギア比をそれぞれ比較してみました。

スピニング
  • ストラディックC2000SHG 81㎝
  • バンキッシュC2000SHG 81㎝

ベイト
  • 22アルデバランBFS HG 71㎝
  • 22アルデバランBFS XG 81㎝
  • 23カルカッタコンクエストBFS XG 81㎝

一回転あたりの巻取り量はどちらも大体70~80㎝程度で、ベイトもスピニングも変わりありません。

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渓流ルアーフィッシングの経験者こそベイトとスピニングのそれぞれの良さがわかる

村田氏は渓流ベイトフィネスを格好だけのミーハーな釣りだと思っているようで、渓流釣りをあまりしたことがない人はベイトフィネスといい、本格的にやり始めると圧倒的にスピニングが優れていると仰っていますが、むしろ渓流ルアーフィッシングの経験が長い人ほど両方使ってみることでお互いの利点がよくわかります。

ちなみに村田氏は主に管理釣り場や野池やダムのバスなど、止水域での釣りが主戦場で、渓流といっても海外の大河川の本流サーモンや北海道の湿原河川などでアメマスなどの大型のトラウトを狙う釣りが多く、個人的な意見で恐縮ですが小渓流などで小型のルアーを使った釣りに関しては精通していないと見えます。

渓流ベイトフィネスよりスピニングの方が優れている

村田氏は渓流ベイトフィネスよりもスピニングの方がキャストの面でも優れていると発信していますが、キャスト精度はタックルに関係なく鍛錬次第でどうにでもなるので、ベイトだろうがスピニングだろうが練習すればどちらも上手くなります。

ただ、どちらが優れているということではなく、狙ったところにルアーを落とすにはベイトの方が簡単で、スピニングに比べてベイトの方が上達が早く、渓流ルアーフィッシングで実践的なキャストができるようになるまでの時間が短縮できるということです。

冒頭にも書きましたが、釣り人たるものやはり釣果は悪いよりいいに越したことはないですし、キャストコントロール精度を上げやすく上達の初速が速いベイトの方が圧倒的に有利な部分でもあります。

キャスティングを極めれば、遠投が効く分鋭い弾道でピンポイントの奥の奥へルアーを送り込むことができるスピニングの方がもちろん有利です。しかし、そこまでのレベルに到達するにはそれなりの鍛錬が必要ですが、初心者さんにとっては狙ったポイントにルアーを落としやすいベイトの方が釣果が上がるという考え方もあります。

もちろんベイトリールの扱いが初めての方には苦戦することはありますが、それでもスピニングのキャスト精度を極めることに比べたら遥かに容易で、コツさえ掴めば一回の釣行で実釣できる程度の難易度です。

この利点については両方を経験している人こそ理解できるベイトの良さでありスピニングの良さでもありますから、渓流でベイトはやらないと公言している村田氏が比較できるものではありません。

渓流ベイトフィネスは軽いルアーを簡単に投げられるベイトタックル

ベイトフィネスは、元々バスフィッシングで誕生したメソッドの釣りで、軽いルアーを使って警戒心の強い大型のバスにアプローチするにはスピニングタックル一択だったものが、スピニングリールに比べて太い糸を使えるベイトリールで軽いルアーを投げられるようカスタムしたことが始まりで、これによりラインブレイクして大型のバスを逃してしまうリスクが減ったことから人気が出た比較的新しい釣り方です。

一方、渓流でのベイトフィネスは、バスで使用するような太い糸を使うのではなく、低い軌道でルアーを飛ばすことが得意なベイトタックルの特性を活かし、障害物の多いポイントへ的確にルアーを着水させるキャストアキュラシ―に特化した釣りで、本来のバスでのベイトフィネスとは少し意味合いが違ってきますが、渓流で最も重要なピンスポット撃ちが容易に決まるといった利点から、近年人気が高まっている釣りです。

渓流ベイトフィネスはどんな人に向いてるの?

渓流ルアーフィッシングはスピニングタックルが主流の釣りですが、ルアーのキャストや操作といったスピニングタックルでは難しい部分をカバーしてくれるベイトタックルの利点を紹介します。

ルアーのキャストコントロールが苦手な人

スピニングタックルはベイトタックルに比べてキャストコントロールが難しいので、キャストコントロールが容易なベイトフィネスタックルでやってみると、驚くほどルアーのコントロールが簡単に決まります。

ベイトタックルの扱いに慣れている人

普段からベイトリールを使った釣りに慣れている人はベイトタックルの特性を理解しているので、渓流用にカスタムされたベイトフィネスタックルだとかなり快適な渓流ルアーフィッシングを体感できます。

根掛かりでルアーをロストしやすい人

ベイトロッドはスピニングに比べて感度が良く、ルアーが川底を叩いたり水中の岩や流木などに当たる感触を容易に感じ取ることができるため、スピニングタックルに比べて根がかりを回避しやすく、ルアーのロストを大幅に減らすことができます。根掛かりを回避しやすいということは、それだけ水中でのルアーのコントロールがしやすく、結果的に釣果にも繋がりやすくなります。

渓流ベイトフィネスにできないこと

ベイトタックルよりスピニングタックルの方が優れている部分を紹介します。

渓流ベイトフィネスは遠投が苦手

渓流ベイトフィネスは遠投が苦手だが、慣れてくれば20m程度は飛ばすことができる

ベイトフィネスリールはスピニングリールに比べて遠投が苦手です。

ベイトリールは本来重たいルアーを投げるのが得意で、ルアーの重量が軽くなればなるほどバックラッシュのリスクが高まるので、軽いルアーを投げられるようカスタムされたベイトフィネスが生まれたわけですが、それでもスピニングタックルに比べて軽量のルアーでは飛距離が出せないものです。

渓流釣りに飛距離は必要ありませんが、遠投ができる分一か所の立ち位置で数か所のポイントを探ることができるスピニングタックルに対して、ベイトの場合は数か所のポイントを探るにはそれぞれのポイントの近くまでアプローチしなければ届かないといったことがあります。

渓流ベイトフィネスは超近投も苦手

渓流ベイトフィネスは超近距離が苦手だが、フリップキャストやピッチングで対応できる

実は渓流ベイトフィネスは近投もあまり得意ではなく、ルアーのウェイトがロッドに乗らないままキャストしなければならないような近投が案外難しく、キャスト精度が落ちてしまいます。

特に1g台のフローティングミノーを1~2m先の倒木の下に入れるとなると結構難しく、ちょっとした力加減でバックラッシュのリスクが高まり非常に神経を使った釣りになりますが、スピニングタックルの場合は障害物を避けることのみに集中してキャストできます。

ちなみに、近投についてはスピニングでもベイトでもフリップキャストやピッチングでカバーできる部分ではあります。

渓流ベイトフィネスリールはラインキャパが低い

ベイトフィネスリールのラインキャパシティはせいぜい40~50m。キャパ一杯に巻く人はいないでしょうから多く巻いてもせいぜい30~35m。

渓流釣りならそれだけラインがあれば充分という意見も多いと思いますが、北海道では上流部の渓流といえど、とんでもない化け物クラスのニジマスやブラウンが潜んでいることがあり、一度だけラインを全部引き出されてしまったことがあります。

逃げる魚に対して自分も追従していけば獲りきれる獲物だったかもしれませんが、渡れないような流れの強い場所の対岸に走られたり、時には淵などの深みに入られてしまうこともありますし、普段から20~40㎝程度のトラウトに遊んでもらっているので、いきなり50㎝を超えるような魚が掛かって縦横無尽に走り回った挙げ句豪快にジャンプされたら冷静に対処して獲ることは難しいですから、そういった点ではスピニングの方が有利と感じました。

渓流ベイトフィネスリールはドラグ性能が悪い

村田氏はベイトのドラグ性能はスピニングに比べて悪いと言っていますが、確かにその通りで自分も同意見です。

ベイトリールは、その構造上どうしてもスピニングのようなスムーズなドラグ放出は苦手なもので、ズルズルとラインを引っ張り出されながら自分から近寄っていってランディングするシーンも結構あります。

しかし、引っ張れないからといって最初からドラグをきつくしておくと、フッキング時や魚が暴れた際に口切れしてしまうのでスピニングもベイトもドラグは緩めにしてキャストしている人も多いと思いますし、そもそも、魚を寄せられないならドラグは途中からでも締めればいいだけの話で、スピニングの場合はドラグを締める際に両手を使う必要があるのに対し、ベイトはハンドルを持っている手ですぐさまドラグを締めることができます。

何が言いたいのかというと、ベイトはハンドルから手を離さずにドラグを締めることができるということです。

渓流ベイトフィネスリールは価格が高い

渓流ベイトフィネスのタックルはスピニングに比べて平均して高いイメージだと思いますが、ベイトタックルが高いというより、アイテムのバリエーションが豊富で広いユーザー層をカバーできているのがスピニングタックルで、鱒レンジャーのような激安ロッドや、ドラグ機能のある2000番クラスのリールであれば5000円程度のものでもある程度楽しめるようなメソッドの釣りですし、渓流ベイトフィネスの場合はリールの性能に依存する部分が大きい釣りですから、安価で作ることが難しいリールといえます。

▼少々不満も出ますが、セドナでもそこそこ渓流ルアーフィッシングを楽しむことはできます。

渓流ルアーフィッシングに絶対的な人気のヴァンキッシュは、シマノのベイトフィネスリール最高峰のカルカッタコンクエストBFSよりも高いですし、そういった点ではベイトもスピニングもハイエンドクラスのタックルでは価格に変わりはないけど、どちらかといえばスピニングの方が価格帯という意味での守備範囲は広いので、安価で遊びたいならスピニングが良いよねということになります。

しかし、渓流ルアーフィッシングはリールの重量もキャスト精度に関わってくる要素が大きく、これは実際に両方のタックルを使ったことがある人にしかわかりませんが、ロッドの上側に乗っかっているベイトタックルに対し、リールがロッドの下側にぶら下がっている状態のスピニングタックルでは、そもそものキャストコントロールの難易度がまるで違うのです。

軽いリールを使えば多少解決する問題ですが、スピニングリールにベイトフィネス機並みの軽さを求めるとなれば、ステラやヴァンキッシュといったハイエンドモデルの機種となり、一般的なベイトフィネス機よりも遥かに高額のリールとなります。

新しいメソッドはやってみないとわからないよさがある

渓流ベイトフィネスはすでに確立されているジャンルの釣りですから、今さらとやかくいうことよりもこうした方がいいなどの建設的な話をするべきですし、釣具店の店長だったりメーカーの開発に携わる方の発言は影響力も関係してきますから、外部からの圧力も含めて何かしら問題が発生しそうな気もしないでもないですが、新しいメソッドに対してあまりにもバッサリ切り捨てすぎるのは、渓流ベイトフィネスを愛するアングラーからすればいかがなものか?と思います。

飛距離を犠牲にしてでもピンポイントへのキャストが必要なシーンも多い渓流釣りにおいて、初心者でもキャストコントロールが容易なベイトが有利な部分も大いにありますし、一概にどちらが優れているという簡単な話で片づけられないほど夢中になる楽しさがあるのが渓流ルアーフィッシングですから、尊敬する村田氏にはベイトは右巻きじゃないといけないとか、小さくて軽いルアーを使うことがセコい釣りだと批判するより、様々なアングラーに対してもう少し柔軟な考え方で意見を述べてほしい気持ちもあります。

かつては自分も渓流ベイトフィネス否定派だった

そいうい自分もかつては渓流ベイトフィネス否定派でした。

ベイトタックルはスピニングでは扱えない太いラインを使うことができることに最大のメリットと感じ、ロックフィッシュゲームではスピニングで獲れないような60㎝クラスの大型アイナメなどをキャッチするようなパワーフィッシングが渓流で必要?イトウとかを狙うならまだわかりますが、ベイトで細糸を使うメリットがどうしても理解できず、渓流ベイトフィネスを詳しく知らない頃はそんなイメージでした。

おそらくフィネスでもフィネスじゃなくてもベイトでバスやロックフィッシュをやられている方は、僕の言っている意味を理解していただけるかと思います。

実際の渓流ベイトフィネスはイメージと全然違った

渓流ベイトフィネスのキャスト精度はスピニングより遥かに高い

元々ベイトタックルを使うのは慣れていたのでキャスト自体はできましたが、驚いたのが狙ったところに簡単にルアーが飛んでいくキャスト精度で、スピニングでやっていた頃は左右のコントロールよりも高さのコントロールが難しく、オーバーハングした木の枝やボサの多い川では釣りどころではないような状況が多かったのですが、渓流ベイトフィネスは左右のコントロール精度もそうですが、低い弾道でルアーを飛ばすことが凄く簡単で、何度投げても八割方同じところにルアーを落とすことができるのです。

また、ルアーフィッシングは、フェザーリングやサミング(ラインの放出を止めてルアーをポイントに落とす行為)をする際、ラインの放出を指で押さえて止める必要があります。

ベイトリールはスプール自体が回転しているため、ミリ単位でラインの放出を止めることができますが、スピニングリールは人差し指で届くスプールエッジの一か所しか抑えることができないため、どうしてもスプールに巻かれているライン一回転分の誤差が生じます。そのため、押さえるタイミングをミスした場合、スプール一回転分余計にルアーが飛んでいくことになります。

経験が豊富な方には容易なことですが、標的に向かってルアーを投げることに全集中している初心者さんにとっては、スピニングリールのフェザーリングは難易度が結構高く、簡単に微調整ができるベイトリールの方がより簡単なわけです。

やはりキャスト精度は釣果に直結するので、スピニングを使っていた時代よりも何十倍もの釣果を上げらていれます。

ベイトに慣れるとスピニングでの釣果も上がる

渓流ルアーフィッシングは小さなルアーを流れの早いポイントで使うことが多いので、特に急流の中でルアーが揉まれてしまうと感度が悪くなってしまい、特に初心者にとってはルアーが水中でどのような動きをしているかを感じ取るのが難しくなります。

しかし、ベイトタックルはロッドの感度が良いため、ルアーの動きはもちろん障害物や魚のバイトもスピニングに比べてわかりやすく、ベイトタックルに変えてから釣果が上がったという人が多いですが、実はベイトタックルに慣れるとスピニングでの釣果も上がるようになります。

ベイトを使っているとラインを通してルアーの動きがロッドに伝わる感覚に対してどんどん敏感になってきますが、スピニングに持ち替えるとベイトのような感覚を中々得られず、感覚を得ようとして自然にルアーの操作が上手くなっていくため、スピニングでの釣果も上がるというメリットもあります。

スピニングは今でも使うことがある

ほとんどの釣行でベイトを使用していますが、時々スピニングで渓流を楽しむこともあります。

河原の広い歩きやすい河川や、川幅の広い中流域では、できるだけ遠くからアプローチしたいですからスピニングを使用することもあります。

やはり両方にそれぞれの楽しさはあって、ベイトでできないことはスピニングでできますし、スピニングでできないことがベイトでできることもあります。

渓流ベイトフィネスはどんどん進化している

ベイトリールはスピニングでは扱えないような太いラインを使えるといった利点から、スピニングでは太刀打ちできないような大型魚を障害物の中から引きずり出すような、力のあるタックルが主流でしたが、ベイトフィネスリールの登場によりスピニングと変わらない軽いルアーが使えるようになり、キャスト精度の高いベイトの利点を活かした渓流ルアーフィッシングが初心者でも簡単にできるようになりました。

スピニングタックルでの細いラインを使う釣りは、ルアーのポテンシャルを最大限に引き出してくれる要素の一つですが、ベイトフィネスの登場で今まではベイトタックルではできなかった細いラインを使って軽量のルアーをキャストする繊細な釣りができるようになり、ベイトタックルの利点を活かして比較的容易にピンポイントにルアーを入れられるようになったことは、誰もが渓流ルアーでより多くの魚を釣ることができるようになったといっても過言ではないです。

もちろんスピニングタックルでも魚は釣れますし、それぞれのスタイルや考え方に違いがあって当然ですから、自分の好きなジャンルで釣りをするのがベストですが、自分は渓流以外でも普段からベイトタックルでルアーフィッシングを楽しんでいますし、格好から入るというよりベイトの利点を理解していたからこそ渓流でもベイトを使用しています。

ギアに関しては今後まだまだ進化していくと思いますし、渓流釣り全体がより敷居の低いジャンルにもなっていくでしょうから、渓流ベイトフィネスをやったことがない方はもし興味があれば是非検討してみてほしいと思います。

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大好きな村田さんが渓流ベイトフィネスを全否定していたのでムキになって長々と書いてしまいましたが、大きい魚を釣ることが正義だという人ですから、源流などの繊細で美しい渓魚を小さなルアーを使って狙ういわゆるセコ釣りよりも、本流や湖で大型化したトラウトを狙いなさいよ!と言いたいのはわかります。

海外ではフィネスをやると馬鹿にされるそうですが、バスは海外から来た外来魚ですから言いたいことはわかります。

しかし、渓流に関しては日本固有種であるヤマメやイワナなど、元々のサイズがそれほど大きくない魚が対象魚であることが大半ですし、その中でより大きな個体を狙うために様々な理論で生まれたメソッドの一つが渓流ベイトフィネスというジャンルなのですから、渓流ベイトフィネス自体は日本固有の釣法であり海外と比べる意味はないと思っています。

釣りという遊びは言葉では伝わらない感覚の要素が多く、どんなメソッドの釣りでも実際にやってみないと良さも悪さもわかりませんよね。

渓流ベイトフィネスとスピニングでの渓流ルアーフィッシングでも、過程が少し違うだけで使用するルアーや対象魚が大きく変わるわけでもないので、結局は興味がある人が実際に手にして魚を釣って楽しめればそれで良いのです。

一つだけ断言できるのは、渓流ベイトフィネスは渓流ルアー入門者にとって上達の限界値までの道のりが早く、スピニングに比べて実釣できるレベルまでの到達時間が短縮できるということです。

度々渓流でのベイトとスピニングの優位性について議論されていますが、それぞれ得意なことが違うのですから、渓流ルアーフィッシングという括りでまとめてしまうとお互いに話は一方通行になってしまいますし、そもそも「俺はやらないね」と触りもしないで毛嫌いしている人がどちらかを一方的に否定するのは非常にナンセンスです。

スピニングが「赤いきつね」でベイトは「緑のたぬき」だとすれば(オレ、赤いきつね食ったことないけど不味そうだよね?)と言っているようなものです。

あえて村田さんの言葉を借りて言うならば、渓流ベイトフィネスをやったことがない村田さんと、渓流ベイトフィネスを四年やっている僕の言葉のどちらを信じますか?

なんちゃって(笑)

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コメント

コメント一覧 (8件)

  • >渓流ベイトフィネスをやったことがない村田さんと、渓流ベイトフィネスを三年やっている僕の言葉のどちらを信じますか?

    まあ普通は村田さんを信じるでしょうね。
    釣りの技術、知識、経験、あらゆる点において村田さんに勝てる人が居るとは思えませんので。上記の疑問文の条件をもってしてもなお、村田さんが圧倒的に勝るはずです。

  • 渓流ベイトフィネスは、既に確立された釣りの方法であり、さまざまなメーカーからタックルが発売されています。それにも関わらず、村田さんの発言は、新しいメソッドに取り組む人々の意見を否定するような印象を与えます。

    仮に、村田さんが渓流ベイトフィネスの第一人者として、長年の経験と豊富な知識を持った上でスピニングの方が絶対的に優れているというのなら納得できます。しかし、俺はやらないとはっきりと公言している人が自分がやったこともない他人のスタイルを否定するのは、すでに渓流ベイトフィネスを楽しんでいる人はもちろん、これから挑戦してみたいと思っている人々に対して公平ではないと感じます。

    仰る通り、自分も含めた多くのアングラーが彼を尊敬し憧れています。しかしながら、村田さんの最近の発言には、かつてのように子供たちが彼の技に感嘆し、目を輝かせた時のようなポジティブな意見が少ないことが残念です。

    仰る通り釣りの技術や知識、経験など、あらゆる面で村田さんは優れています。村田さんが発信する情報や彼の経験と知識を尊重し、彼が作り出した技術に敬意を払うべきです。しかし、彼が否定的な発言を繰り返すことは、シマノだけに止まらず釣り業界にとっても良くないことだと思います。

    渓流ベイトフィネスに取り組む人々の熱意や情熱を否定するのではなく、お互いのメリットを尊重し合える関係性を持ち、特に影響力のある人は中立の立場から情報を提供していくことが理想ではないでしょうか。

  • ベイトフィネスの記事、とても面白いかったです。ついでに村田さんのyoutube見てみましたが渓流ルアーはスピニング、ベイトはバス釣り前提で右ハンドル推しでした。
    私は今年渓流ベイトフィネスデビューで右ハンドルで一度やりましたが、着水直後のリトリーブはどうやっても間に合わないので、左に変えました、やはりやってみないと分からないこともありますね。
    しかし、「プロはこう言ってる」に盲信する人多いですね(笑)

    • こんにちは。

      コメントありがとうございます。

      村田さんの「ベイトは右」これに関しては実は私も同意見です。

      ただ、それは渓流ルアーフィッシング以外での話で、キャスト時にハンドルが下に来る左巻きは、どうしても飛距離が落ちてしまうため、海でのロックフィッシュ狙いは全て右巻きのベイトリールを使用しています。

      もちろん、渓流ルアーフィッシングは右投げ右巻きでもやろうと思えばできないことはないです。しかし、皆さんご存じの通り右投げ左巻きが圧倒的に有利なことから、ルアーの着水時と同時にリトリーブに入りたいことも多い渓流ルアーフィッシングにおいては、スピニングだろうがベイトだろうが左巻きが推奨されています。

      アンバサダーなど、右巻きしかないベイトリールを使いたいがために、左投げを猛特訓して完璧にマスターしている素晴らしい根性をお持ちの方もいるほどで、他人の遊び方を小馬鹿にするような村田さんよりも、むしろそのような方々の方が尊敬できます。

      私も含めて、村田さんどうしてこんな風になってしまったんだろうと寂しい気持ちになっている方も多いのではないでしょうか?

      今年から渓流ベイトフィネスデビューとのことで、新たに素敵なフィッシングライフが追加されましたね。よろしければ釣果などもお聞かせいただけると嬉しいです。

  • 手返しはベイトが有利というのは、単にキャストに要する動作が少ないだけ。
    同じポイントに10回投げるとかそういう比較ならば、ベイトの方が早いでしょう。
    しかし、実際の釣りで問題なのは、少ない回数できっちりとピンポイントに落とせるかですよね。渓流なんて、3投位でそのポイントで釣れるかどうかが結果が分かる場合が多いので、リールの種類の問題ではなくキャストの腕です。
    遊びなのだから、どっちが優劣がとかじゃなくて、好きなのを使えばいいのでは。

    • この人文章を断片的にしか読んでなくて内容をまったく理解していないよね

      ベイトが良いからベイトにしなよ!って言ってる記事じゃないし、初心者向けの記事で自分の方が知識があるってマウント取りたいだけなら、自分でSNSとかで発信すれば良いんじゃね?

      • コメントありがとうございます。

        また、記事内容に関しての補足もありがとうございます。

        ただ、一生懸命書いた記事でも全て読んでくださる方は稀で、すべての方があなたのようにこちらの意図を理解してくださるとは限りません。

        それについては、一方的な原因は筆者にありますし、もう少しわかりやすく解説していればこのようなコメントを頂くこともなかったかもしれません。

        とはいえ、コメント欄でフォローしていただいたことは非常に感謝しています。

        否定的でも肯定的でも、その人にとっては自己の主張のひとつですから、ありがたく頂戴したいと思っています。

  • コメントありがとうございます。

    仰る通りベイトの手返しについては、動作が少ないことです。

    よって、手返しが早い分ポイントを見切るのも早くなり、フライフィッシングやスピニングタックルでで渓流ルアーを楽しんでいた頃より、今は遡行距離が明らかに伸びています。

    もちろん、当記事はベイトの方が全てにおいて有利ですよという内容ではないです。

    釣りの神様が、「渓流でベイトなんてやるもんじゃない」と仰っているので、渓流ベイトに興味のある方や、これから渓流ルアーフィッシングに挑戦したい初心者さんが迷子にならないよう、いち経験者としてそれぞれのメリットとデメリットを解説しています。

    その上でどちらを選ぶかは本人次第ですので、どちらかを推奨しているものではありません。

    ただ、初心者さんが苦戦しやすいキャストコントロールについては、ベイトの方が上達が早いという補足を行っていますが、これについても仰る通り腕次第ですから、どちらを使おうが、経験を積んで上手くなれば大きな差はありません。

    「遊びなのだから、どっちが優劣がとかじゃなくて、好きなのを使えばいい」ということを前提に初心者さんがタックルを選ぶ際の参考に発信しています。

    おそらく貴方のような経験豊かな方に対しては、参考になる内容ではないかもしれませんし、誤解や否定的なご意見を頂戴することもあるかと思います。

    記事を読み返していただけるとご理解いただけると思いますが、根本はどちらも楽しいので好きな方を選ぶのが正解という意見です。

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