渓流ルアーフィッシングって難しいですよね。
僕も若い頃にある程度経験はあるものの、ルアーで魚が釣れるイメージが湧かずフライフィッシングに転向した過去があります。
2020年から本格的に渓流ルアーフィッシングを再開し、現在はそこそこ満足する釣果には恵まれていますが、初心者にとっては渓流ルアーってやっぱり難しくて、釣れなくて当たり前だと思うことも多いと思います。
結論から言えば渓流トラウトはルアーでもよく釣れます。しかし、サイズ感が餌や毛鉤よりも大きいルアーは、警戒心の強いトラウトには見切られやすいのも確かです。
とはいえ、餌には餌の強みがあり、毛鉤には毛鉤の強みがあるように、ルアーにもルアーの強みがあるので、その時々の状況によってはルアーの方が有利なことも多々あります。
今回は、初心者が渓流ルアーフィッシングで釣れない5つの原因と、ポイント選びからテクニックやルアーの選択などを交えて、確実にトラウトを釣る方法をご紹介します。
渓流ルアーフィッシングで初心者が釣れない原因「其の一」釣れない川で釣りをしている
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渓流と呼ばれる川の上流部は、どこでも渓流魚がいるわけではなく、雰囲気は最高なのに全く魚がいないことも珍しくありません。魚がいない川で釣りをしても釣れませんよね。
理由としては、資源が放流魚のみに頼っていて解禁直後にほとんど釣られてしまう場合や、砂防堰堤の影響で遡上魚が繁殖できないなど、釣れる条件も釣れない条件も季節や入渓のタイミングなど様々な要因が複雑に絡み合っています。
解禁直後が釣れるとは限らない
大半の地域で三月に解禁となる渓流魚ですが、三月は外気や雪代の影響により水温が低く魚の動きはやや鈍い傾向にあり、積極的にルアーを追うような季節ではないため、じっくり見せることができるルアーを選ぶなど、ルアーの選択と操作が非常に重要になってきます。
ほとんどの川は雪代が落ち着くゴールデンウィーク辺りから本格化してくるので、春の増水低水温時期を避けて釣行するのも良いでしょう。
基本は実績のある有名河川を狙う
実績のある有名河川は、放流量も多く過去に放流された個体も釣られずに残っていることもあるので、基本的に誰もが知っているような有名河川の方が魚のストック量は多い傾向にあります。
あまり人が入らないようなマイナー河川も魅力的ですが、その川にトラウトの生息が確認できない場合は、支流も含めて水系ごとダメということもあるので、ある程度名の知れた川の方が実際は釣れやすい傾向にあります。
また、有名河川は釣り人によるプレッシャーも高く初心者は入渓に苦労することさえあります。そのような場合は本流に注ぐ支流を攻めると思わぬ好釣果に恵まれる場合があります。
渓流ルアーフィッシングで初心者が釣れない原因「其の二」ポイントの選択ミス
せっかく良い川に入渓しても深い場所や自分が投げやすいポイントばかりにルアーを投げていませんか?
自分が投げやすい場所は当然他人も投げやすい場所なので、そのポイントは相当攻められていると思って正解です。
一か所で粘らない
渓流トラウトは警戒心が強く、同じ場所で何度も投げているとルアーを見切ってしまい追ってこなくなるので、大物の魚影があったりなどの理由がない限りは同じ場所で狙い続けるよりもどんどん先へ進んでいった方が釣果に恵まれることが多いです。
竿抜けポイントを探す
竿抜けとは、小場所などのあまり攻められていないポイントのことを指します。
人気河川でも他の人に見落とされて竿抜けしているポイントは結構あるので、川の流れをじっくり観察して、少しでも流れに変化があったり普段は攻めないような小さな障害物がある場所も狙ってみると確実に釣果はアップします。
水深や流速だけで判断しない
水深が深い方が釣れるような気がするのは初心者に限ったことではなく、ある程度経験がある人でも水深の深いポイントは一通り狙ってみるものです。
ですが、季節が進むにつれて水面を意識する魚が多くなってくると、深場よりも餌を摂りやすい流れ出しや落ち込みなどといった浅いポイント移動してくる個体が多くなってきますし、魚の目はどんどん良くなっていくので、ゆっくりとしたルアーの動きよりも早く激しい動きにしか反応しなくなってきます。
渓流ルアーフィッシングで初心者が釣れない原因「其の三」いつも同じルアーを使っている
渓流魚をルアーで釣ったことがある人はそのルアーがお気に入りのルアーになっていると思いますが、いつでもどこでもそのルアーが釣れるルアーとは限りません。天候や水温、水色によってルアーの種類や形、大きさ、重さなどを使い分けるのが釣果アップに繋がります。
ここではルアーの種類と使い分けの方法を解説していきます。
スピナー
大抵の釣り場はスピナーさえあれば魚が釣れるといっていいほど優秀なルアーですが、スピナーはブレードが回る速度で巻き続けないとただの鉄の塊なので、それほど早く巻かなくてもブレードを回せる比較的流れのゆっくりとしたプールや巻き返しなどの反転流で効果を発揮します。
逆に、流速の早い瀬でアップストリームで探るには、スピナーの場合川の流れよりも早く巻かないとブレードが回らないため、それだけ魚に対してのアピール力が落ちてしまうことになります。
しかも非常に早いスピードで動くルアーには魚は追い付けないことが多いので、ダウンストリームで探ると良いでしょう。
スプーン
スプーンもスピナーと同じ金属でできていますが、湾曲したボディの恩恵で水中を引いてくるとクネクネと泳ぐように動くので比較的アピール力は高いルアーです。
スプーンは沈下速度が速く水深のあるポイント向けですが、流れの早い瀬でも底を転がすように使うこともできるため、スピナーより流れの速いポイントにも対応できるルアーです。
ミノー
三種類の渓流ルアーの中で最もアピール力が高く、トラウトに見つけてもらいやすいルアーですが、シルエットが大きい分見切られるのも早いといった弱点もあります。
とはいえ、フローティングタイプのミノーはスピナーやスプーンにはできない水面付近の釣りができ、シンキングタイプのミノーは深いポイントも攻めることができるため、シーズンを通して最も使いやすいルアーの一つです。
また、捕食対象としての使い方だけではなく、トラウトが縄張りに侵入する部外者を追い払う行為(リアクションバイト)を誘発させることができるのもミノーの強みでもあります。
その場の状況に応じてルアーを使い分ける
色んなルアーを投げているうちに、ポイントによってしっくりくるルアーがわかるようになるので、最初の内は適当にルアーを選んで投げているだけでも大丈夫です。
一番重要視したいところはルアーのウエイトで、3~4g程度のできるだけ軽いルアーを流れの中でうまく操作できるようになるのがトラウトを釣るコツです。
Dコンタクトやリュウキ、メテオーラなど、釣れると言われるルアーをいくら投げたところで、ポイントにマッチしていないと魚が釣れないどころか場を荒らしてしまうことにもなるので、流れの早さや水深、季節などの状況によってルアーの種類や重さを使い分けることが大切です。
ルアーは何種類持って行くと良いの?
特定のルアーに拘りがあったりする場合を除いて、スピナー・スプーン・ミノーのそれぞれサイズや重量の違うのものを3~5種類程度持って行くと大抵の釣り場で困ることはないと思います。
僕自身は自作のミノーでしかやらないという強い拘りがあるのでミノーしか持ち歩きませんが、それでも4.5~6.0㎝のものを2~6g程度の範囲で20~30個ほど持って入渓しています。
渓流ルアーフィッシングで初心者が釣れない原因「其の四」ルアーの操作
渓流ルアーフィッシングで最も良く釣れるアクションはタダ巻きといっても過言ではありません。ですが、それはトラウトの食い気が立っている高活性の場合の話で、プレッシャーが高く、魚が警戒していたり水温や水色の変化で活性が下がることもあるので、ルアーにアクションを付けた方が釣れる場合も多いです。
しかし、闇雲に竿先を動かして簡単に釣れるものではないので、食わせるための誘い「トゥイッチング」を行う必要があります。
トラウトにとっての捕食対象として見せる
トラウトの捕食対象は水生昆虫や陸生昆虫の他、小魚なども捕食の対象になります。
特に夏にかけて陸生昆虫に興味を持ち始める時期は、着水と同時にルアーを追ってくることも多く着水直後のアクションがポイントとなることも多いので、キャスト後は着水と同時にリトリーブに入れるようなスムーズな動作が重要です。
縄張りに来た敵を排除する習性を利用する「リアクションバイト」
トラウトは縄張り意識が高く、大きくて強い魚ほど安全で餌を摂りやすい場所に定位し、他の魚が近づいてくると排除しようとします。
この縄張り意識の強さを利用するためには、トラウトの目の前で不規則にルアーを動かしてトラウトを怒らせるようなルアーの操作「リアクションバイト」を誘発させる誘いが効果的です。
闇雲にトゥイッチしてるだけでは釣れない
リールを巻きながら竿先を上下左右に動かしているだけでは、ルアーはそれほど魅力的な動きはしません。
良いルアーは巻いているだけでお尻を振っていかにも釣れそうな動きをしますが、川の流れの強弱や魚のいる深さなどの関係で全くトラウトに気付いてもらえないことが多くあります。
そのような場合はトゥイッチングといって、細かいロッドワークでルアーを不規則に動かしてアピールするのですが、ラインにテンションが掛かった状態でトィッチングを行うと、ルアーは急激に上昇したり横に大きくスライドするため、トラウトの目線では目の前にいたルアーが突然いなくなるという現象が起きていることになります。
釣れるトゥイッチの方法
釣れるトゥイッチングの方法は、水の抵抗によりブルブルとルアーの動きを感じながらリールを巻いている時に、ラインテンションが抜けて何も感じなくなることがあります。それがトゥイッチのタイミングで、ラインテンションが抜けたタイミングでトゥイッチを掛けるとさらにラインの弛みが大きくなるので、それをリールで巻き取るとことでルアーの体勢を整えることができ、次のアクションに繋げやすくなります。
ですから、トゥイッチは規則正しく行うのではなく「ライン」「水の流れ」「ルアーの重量」の関係性によって速度や幅を変える必要があります。特に流れの早い所ではルアーの重さを感じにくいため巻きスピードが速くなりがちですが、そういう時こそラインテンションを意識して水中で少しでも長い時間ルアーをアピールし続けるような誘い方ができるようになるとかなり釣果は上がります。
特にヤマメやイワナなどはこのような誘い方をしていると、ルアーに纏わりついてくるようなチェイスをしてくることがあるので、ルアーの動きを急激にピタッと止めてあげるとたまらず食いついてくることが多いです。
トゥイッチが苦手な人におすすめ「グリグリメソッド」
トゥイッチングはラインにテンションが掛かっていない時に行うと、ルアーがどのような動きになっているかわからず狙いたいポイントに流しているつもりでも、大きく外れてしまうこともしばしば。
慣れてしまえばトィッチングは何てことない簡単な誘い方なのですが、上手くできている自信がなくトゥイッチングで魚が出ない時は、グリグリメソッドといってロッドの動きで誘いをかけるのではなく、リールのハンドルの回転速度の強弱、いわゆるストップ&ゴーで誘う釣り方があります。
これは、トィッチングにあまり興味を示さないニジマスに効果の高いアクションのひとつで、ルアーの重さを感じられる範囲でハンドルの巻き速度に変化を付けると良いでしょう。
渓流ルアーフィッシングで初心者が釣れない原因「其の五」キャストの精度
キャスト精度は渓流ルアーフィッシングにおいて最も重要視したい部分です。
トラウトは解禁後水温の上昇とともに少しずつ活性が上がっていき、5~7月頃に最も活発にルアーを追うようになります。そして秋に向けて少しずつ警戒心が強くなっていき、産卵間近にもなると目の前わずか数十センチの距離にしか反応しなくなるため、かなりシビアなキャスト精度が必要になっていきます。
キャストの練習をする
当前ですが、練習しないとキャスト精度は上がりません。
最も精度が高いキャストはオーバーヘッドキャストですが、渓流では頭上の木の枝などに引っ掛けやすいため、ルアーの軌道が上がりやすいオーバーヘッドキャストよりも低弾道でルアーを飛ばしやすいサイドキャストを多用するシーンが多くなります。オーバーヘッドキャストの他にサイドキャストの練習を重点的に行うと良いでしょう。
ロッドが長すぎる
渓流では障害物を避けるためにキャストがしやすいショートロッドがメインになりますが、ショートロッドはキャスト精度を上げやすいという利点もあります。
一般的に渓流では5フィート前後のものを使用している人が多いですが、キャストが上手く決まらなくて悩んでいる方は4フィート台前半まで短くしても良いでしょう。ロッドが短くなればそれだけ飛距離が出せなくなりますが、渓流では飛距離よりもキャスト精度の方が大事なので飛距離を犠牲にしてでもロッドを短くした方が良い場合もあります。
リールが重すぎる
渓流ルアーで使用するスピニングリールの番手は2000番を使用する人が多いですが、2000番のスピニングリールの一般的な重量は200g前後です。この200gという重量は決して軽い方ではなく、ワンハンドキャスト主体の渓流ルアーではリールの重量もキャスト精度に影響するため、軽いリールを選択することでキャスト精度を上げることもできます。
極端に変わるほどではないですが、ロッドの上にリールがあるベイトタックルと違って、サイドキャストの場合ロッドの下側にあるリールの重さが微妙にキャストのブレを生んでしまうことがあるため、軽いリールを使用することで多少キャスト精度を上げることができます。
▼軽いリールの代表格「シマノ ヴァンキッシュ2000SHG」
▼自重150gと驚異の軽さの「ヴァンフォード2000SHG」は渓流に最適
キャストのコツさえ掴めば、初心者でもキャスト精度を上げやすいベイトフィネスタックルもお勧めです。スピニングよりも容易にピンポイントキャストが決まりやすいベイトタックルは、おもしろいようにキャストが決まるため、スピニングで難しいと感じた場合は思い切ってベイトタックルに挑戦してみるのも良いでしょう。
初心者が渓流ルアーフィッシングで釣れない5つの原因と対策:まとめ
渓流ルアーフィッシングは釣れないと悩んでいる方への参考となれば良いと思い、渓流ルアーフィッシングで釣れない原因と対策を紹介しましたが、基本的には魚のいる川で魚のいる場所にルアーを投げることさえできれば釣果は確実にアップします。
ルアーの操作などは最初の内は難しいと思いますが、何度もキャストしていると水中でルアーがどの深さを潜行しているかや、どのような動きをしているかなどがラインを通してロッドに伝わってくるのがわかるようになるので、ロッドの感度もある程度重要視しつつ練習してみてはいかがでしょう。
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