先日17カルカッタコンクエストBFSについて個人的な主観を中心に記事を書きました。
カルカッタコンクエストBFS今後の新作の発表については、17カルカッタコンクエストBFSはあまりにも完成度が高すぎて今後しばらくはないのでは?という個人的見解でしたが、なんと23カルカッタコンクエストBFSの発表がありましたね。
アングラー人口が少ないと言われるベイトフィネスにも力を入れてくれている所は、やっぱりシマノさんは一流メーカーだなぁと感じるところです。良い意味で予想を裏切ってくれましたね。
23カルカッタコンクエストBFSの気になるスペックですが、大きな進化の一つとして、前作にはなかったXGが新たに加り左右ハンドルの違いを含め合計で四つのラインナップで登場。
より渓流での活躍が期待されるところですが、17カルカッタコンクエストBFSに比べてどのように進化したのか詳しく解説していきたいと思います。
23カルカッタコンクエストBFSの基本スペック
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23カルカッタコンクエストBFSの基本スペックです。
HG RIGHT/LEFT
- 自重:195g
- ギア比:7.8
- 最大巻上長(ハンドル1回転):71㎝
- 本体価格(円):59,000円
XG RIGHT/LEFT
- 自重:195g
- ギア比:8.9
- 最大巻上長(ハンドル1回転):81㎝
- 本体価格(円):59,000円
17カルカッタコンクエストBFSから23カルカッタコンクエストBFSへの進化の詳細
17カルカッタコンクエストBFSはすでに完成された高性能のベイトフィネスリールですが、23カルカッタコンクエストBFSはさらに進化しています。
17カルカッタコンクエストBFSから23カルカッタコンクエストBFSへどのように進化したのを探ってみたいと思います。
外観
パッと見は17カルカッタコンクエストBFSと比べてあまり変化がないようにも見えますが、全体的に角を面取りしたような柔らかい印象です。
どちらもカッコ良いですが、個人的には丸い中でも角があって金属感が強い17カルカッタコンクエストBFSの方が好みで、デザインに関しては好みが分かれそうです。
細かいところではレベルワインダーに金の差し色が入ったところがカッコ良いと思いましたが、シマノが誇る丸形リールの名機であるカルカッタコンクエストのロゴはもう少し主張しても良かったのではないかな?と思います。
MGLスプールⅢとNEW FTB
22アルデバランBFSから採用しているMGLスプールⅢ(低慣性マグナムライトスプールⅢ)は、キャスト時の立ち上がりが早く1g程の超軽量ルアーの低弾性キャストも可能となりました。
NEW FTBはマグネットの可動域が従来のFTBよりも広くなったことで、ブレーキを最弱にしていてもマグネットの磁力が効いている状態だった従来のFTBに比べて、NEW FTBはブレーキ設定を最弱にするとマグネットの磁力を限りなくゼロに近い状態まで持っていけるようになったことから、マグナムライトスプールⅢとの相乗効果で限りなく軽いルアーをキャストできるようになっています。
ただ、管理釣り場などのエリアトラウトではなく、実際の渓流では3~5gほどのルアーが最も多く使われている重さですから、NEW FTBが賞賛される性能かかどうか疑問に思う人もいると思いますが、1gのルアーが投げられるということは、2g、3gのルアーはもっと快適に投げられるわけですから、ルアーの選択肢が殖やせるといった意味では非常に期待できる性能だと思います。
200gから195gに軽量化
5gってそれほど軽量化していないと思われがちですが、渓流ベイトフィネスではキャスト感覚からいうと5gって相当違います。
渓流ベイトフィネスはロッドもリールも軽い方が良いに決まってる!その気持ちはすごいわかります。
僕も軽さが正義だと思い込んで購入した130gと驚異の軽さである16アルデバランBFSも所有していますが、17カルカッタコンクエストBFSを購入してからはかなり出番が少なくなっています。
なぜかというと、カルカッタコンクエストBFSはロッドとのバランスがすごく良いところで、特に5.5フィートを超えるようなロングロッドや、グラスロッドなど重量のあるロッドはどうしても先重りしやすくなるので、テイクバック時のロッドを曲げる行程においては、ある程度リールに重量があってタックルの重心が手元にある方がバランスが良く、結果的にキャストコントロールが良くなるからです。
ベイトフィネスだからといって軽けりゃ良いということではないにしても、元々が200gと重い中で5gの軽量化は非常にありがたい進化です。
ボディーサイズのコンパクト化
個人的には17カルカッタコンクエストBFSのボディーもそこまで大きさを感じませんが、23カルカッタコンクエストBFSはさらに小型化し、よりパーミングしやすくなっています。
17カルカッタコンクエストBFSも正しいベイトリールの持ち方をすればパーミングがやりにくいことはありませんが、23カルカッタコンクエストは小型化したことで重心が下がり丸形ベイトリールでありながらロープロ型ベイトリールのフィーリングに近くなり、ちょっとしたキャストのミスによるコントロールのブレが少なくなってます。
XGの導入
カルコンBFSは巻きが遅い!という不満を持った人がたくさんいたのも事実。多くの人が待ち望んでいたギア比のバリエーションが増えました。
そんなに早く巻く必要あるの?というくらい巻きスピードを大事にしている人って結構多くて、実際の渓流では流れの早さにもみくちゃにされるのが嫌で早巻きする人も多いですし、キャストをミスした時の回収も早いに越したことはないというのが本音ですね。
ちなみにXGは感度が悪くなると某大先生が仰っていますが、渓流ベイトフィネスにはほとんど関係ないのでXGでもHGでも好みの方を選んで問題ないです。
23カルカッタコンクエストBFSへの不満な点
新作の発表後は辛口評価をする人が必ずいます。確かに自分の求める使い方ができないとなれば評価は下がるのは当前ですが、23カルカッタコンクエストBFSに対しての主な辛口評価を主観を交えて紹介します。購入の際の参考になれば幸いです。
ラインキャパが低い
BFSリールに多い糸巻き量が足りないという意見。
BFSリールは軽いルアーをキャストすることに特化したベイトリールなので、ラインキャパを上げたらラインの巻き量が増えた分スプール重量が増えてしまうので、どうしてもキャスト性能が落ちてしまいます。
もちろんキャスト性能はスプールの重量だけではなく、ベアリングやその他の機関なども関係してくるものですが、スプールの重量が軽い方が立ち上がりがスムーズなのは間違いなく、ベイトフィネスリールは軽量ルアーの近距離専用機ですから飛距離が犠牲になるのは当然の結果です。
飛距離を求めるのなら遠投が効くメタニウムシャローエディションやアルデバランMGLの方が向いていると言えますし、地球の重力そのものを変えることはできないのですから3g以下の軽いルアーを遠投したいのであればスピニングリールを使うしかありません。
ジュラルミンギアの採用
17カルカッタコンクエストBFSも23カルカッタコンクエストBFS共にマイクロモジュールギアが採用されており、高級リールらしく非常になめらかでしっとりした巻き感を得られるギアですが、23カルカッタコンクエストBFSは前作の17カルカッタコンクエストBFSに採用されていた真鍮ギアからジュラルミンギアに変更されています。
ジュラルミンギアへの変更はカルコン愛用者にとって最も懸念材料とされる部分で、マイクロモジュールギアは歯車の歯が小さく厚さも薄いので、グリスが切れたり砂やゴミなどを噛んでしまうと欠けやすくなります。
真鍮とジュラルミンは強度こそさほど変わりはないにしても、耐久性は真鍮の方が上ですから、ヘビーユーザーにとっては使用後の洗浄とグリスを切らさないよう頻繁にメンテナンスしておく必要があります。
メンテナンスを怠るとある日突然シャリ音が出たりゴリゴリ引っかかるような巻き心地になる恐れもあり、当然ギア交換などのオーバーホールの頻度も上がります。
自分でできる方はパーツを取り寄せて交換すればそれほどかかりませんが、BFSリールはパーツが非常に細かく結構難易度が高めですし、メーカーのオーバーホールに出すと15000円以上かかるので、使用後のメンテナンスはしっかり行った方が良いでしょう。
中身は22アルデバランBFSと変わらない
MGLスプールⅢとNEW FTBは昨年発売された22アルデバランBFSに先行して搭載されていますが、今回発表された23カルカッタコンクエストBFSにも搭載されています。
ということは中身はアルデバラン?と思われる方も多いと思います。確かに内部の性能的には22アルデバランBFSとほとんど変わらないですが、外観に関しては剛性感も含めて別物と考えるのが妥当です。
そして、22アルデバランBFSは定価48,000円と16アルデバランBFSから大幅な値上げとなっていて、16アルデバランBFSから性能面で大きく進化していることから、23カルカッタコンクエストBFSが22アルデバランBFSと同じ仕様にした理由がわかると思います。
最終的には外観の好みや使う人のスタイルに合わせて選ぶことになると思いますが、渓流ベイトフィネスで使うにはどちらを選んでも失敗はないでしょう。
ギアボックスの形の変更
17カルカッタコンクエストBFSは丸形リールらしくギアボックスもボディーに合わせてまん丸の形ですが、23カルカッタコンクエストBFSはひょうたんのような形になっています。
これにより重心を下げてロープロ型のような投げ感を得られることに貢献していると思われますが、丸に丸のあの形が好きでカルコンを使用している自分とっては、ボディーこそ丸くても他が丸くないのはどうしても違和感が残ります。
ただ、これはあくまでも個人的な好みからの意見なので、気にならない方にとってはどうでも良い情報だと思います。
23カルカッタコンクエストBFSは渓流専用ベイトフィネス機といっても過言ではない
ベイトフィネスはバスのルアーフィッシングが発祥と言われていますが、ここ数年で渓流でベイトタックルを使用するアングラーが激増していて自分もその中の一人です。
軽いルアーを投げるなら正直スピニングの方が絶対的に有利ですが、実戦で通用するキャストができるまではスピニングよりベイトの方が時間的損失が少なく、練習よりも釣果を優先させたい初心者にとってはベイトフィネスは非常にありがたいタックルのひとつです。
シマノは新作ベイトリールの発表の際はまず右ハンドルから先に発売することが多いのですが、今回の23カルカッタコンクエストBFSは左ハンドルが先行販売されることになっています。(HG LEFT、XG LEFT:2023年2月発売予定、XG RIGHT:2023年4月発売予定、HG RIGHT:発売月が2023年4月から2023年5月に変更)
これが何を意味するのかというと、圧倒的に左ハンドル人口が多い渓流ベイトフィネスアングラーを優先させた結果だと言えます。
某大先生のベイトは右ハンドルでなきゃダメなんだよ!と言う意見を無視した形となりますが、ベイトフィネスはダサいという大先生の意見を無視してでも渓流ベイトフィネスアングラーにカルカッタコンクエストBFSを提供してくれたユーザーファーストなシマノさんの考えは、カルコン愛用者としてはやはり嬉しいものですね。
BFSリールの制作に携わっていないせいもありますが、シマノにとってマイナスとなることを平気で発言するような方ですから、今回も右ハンドルから先行販売されると思っていました。
23カルカッタコンクエストBFSは渓流で大活躍すること間違いなし
ここ数年で、ベイトフィネス機は軽量ルアーのキャスト面での進化が激しく、業界全体がバスよりも渓流向けに力を入れてきている印象です。
23カルカッタコンクエストBFSも非常に高いキャスト性能に進化しているため、渓流ベイトフィネス機として大いに活躍することでしょう。
17カルカッタコンクエストBFSがあまりにも完成度が高いリールなので、すでに所有している方は進化の過程を楽しむのも良いですし、元が頑丈で性能の高いリールなので、長く大事に使ってほしいと思いますし、17カルカッタコンクエストBFSをお持ちでなく23カルカッタコンクエストBFSを検討している方は、評価の高かった17カルカッタコンクエストBFSや16アルデバランBFSのように品薄で入手困難になる前に購入しておいた方が良いでしょう。
23カルカッタコンクエストBFSの登場で今シーズン渓流ベイトフィネスの話題も盛り上がりそうですね。自分も近い内に購入したいと思いますが、こちらは連日氷点下20℃を下回るような冬真っ最中なので、まずは2023年度版の渓流ベイトフィネスリールの特集記事を書きたいと思います。
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