とある港で起きた不思議な出来事「釣り場での恐怖体験」

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釣り場での恐怖体験談って結構聞きますが、実は自分も何度か経験しています。

積丹方面で釣りをする方ならほとんどの方が知っている北海道の積丹半島にある某有名漁港の話です。

秋から春にかけてのホッケやカレイ、サクラマスがよく釣れ、春から夏にかけてはヤリイカやソイなどなんでも釣れる上、非常に魚影が濃いことで有名な港です。

港は北向きのワンドにある地形のため北東風に弱く、荒れている時は4m以上ある外防波堤の胸壁を乗り越えて波が上がってくることがあるので昔から事故が多く外防波堤先端は立入禁止となっていますが、自分も過去にはそこでよく釣りをしていました。(現在は入っていません)

ここはハイシーズンには夜から入らないと釣りができないほど大変混雑する人気港ですが、6月に入ると混雑も解消されあまり人が来なくなります。

実はこの6月の第一週の特定の潮回りでカレイが爆釣することがあるのを知っていて当時もそれを狙って港に向かいました。

目次

港到着は午前一時半

仕事を終えて港について少し仮眠してから防波堤へ向かおうと思っていましたが、6月なのに外はすごく暖かく気持ちが良いので仮眠をせずに荷物を担いでそのまま外防波堤の先端へ向かいました。

案の定駐車場には釣り人の車は一台もなく穏やかな港は波の音すらも聞こえないほど静まり返っています。

防波堤の先端より少し手前の一等地に陣取り投げ竿を三本セットしたところで午前2時半。

やはり空いていると楽に一等地をゲットできます。

あとは潮が動いてくれれば釣果は約束されたようなものですが、ここは水深があるので夜の内はあまり期待できず明るくなるまで待ちます。

一度車に忘れ物を取りに戻る

車に食べ物や飲み物などを忘れたので取りに向かおうと来た道を戻ると、防波堤の中間付近で駐車場側から長靴に作業服姿のおじさんが歩いてきました。

あの人もこの時期のカレイを狙ってきたのかな?早めに到着しておいてよかったなぁなんて思いながら挨拶をします。

自分「こんばんは~」

おじさん「ん・・・」

釣り場に限らず愛想のない年配者ってどこにでもいますからいちいち気にしません。

自分「これからですか?」

おじさん「・・・」無視

あ、そういう感じなんですね、わかりましたよ。

とりあえずそのまま車へ向かおうとすると急におじさんが話しかけてきました。

おじさん「兄さん、釣りする時は気をつけてな」

急に優しく声をかけてきたので少し驚きましたが、お礼を言うために振り向いたらおじさんが歩くたびにジャッポンジャッポンと長靴から水の音がします。

荷物を一切持たずに防波堤を歩いてきたおじさん、様子見だけしに来る人は普通にいますからそれほど不思議なことではないですが、水浸しの長靴を履いて防波堤を歩くおじさんはどう見ても普通じゃないですよね。

再び防波堤へ向かう

食べ物や飲み物を持って防波堤に戻りますが、さっきのおじさんの長靴が気になるので足を拭くためのタオルを一枚持って防波堤に向かいます。

いくら穏やかな6月の気温でも夜は寒いので濡れたままでいると風邪を引いてしまいます。

要らないと言われればそれはそれでいいのでおじさんにタオルを渡そうと足早に自分の釣り座に戻りますが、おじさんの姿がありません。

この防波堤以外に戻るルートはないのでどこかにいるはず。

辺りを探してみますが見当たらず頭の中の整理が付きません。

うーん・・・どこへ行ったのだろうか?

もしかしたら自分が車に戻るまでの間に帰ったのかもしれないし・・・いや、まさか海に落ちたとかじゃないよな?

とキャップライトの灯りを頼りに防波堤の先端を見てみると、おじさんの物と思われる濡れた足跡がありました。

足跡は防波堤の先端で切れておりその先は水深10m以上ある海です。

ヤバい!落ちたのか?

こういう時はどうしたら良いのかと少し悩みます。

しかし、駐車場には自分以外の車はなかったし人がいる気配もなかったし・・・でも一応通報した方が良いかなと考え込んでいると他の釣り人が来ました。

釣り人の話に驚愕した

※画像はイメージです

自分より少し年齢が上の印象の方は挨拶も早々に手前で投げて良いですかと聞いてきたのでどうぞどうぞと場所を譲ります。

うっすらと夜も明け始め楽しそうに準備をする釣り人にさっきの出来事を話そうとした瞬間。

後から来た釣り人「夜からずっと一人で投げてたんですか?」

自分「一時間半くらい前から投げてましたが」

被せ気味に来た返答は

後から来た釣り人「長靴履いたおじさんいなかった?」

自分「えっ?知ってる人なんですか?」

後から来た釣り人「何回か会ってるよ、夜に一人でここに来ると声掛けてくるんだわ」

自分「それって・・・」

後から来た釣り人「うん、でも悪さはしないから大丈夫だけど怖いよね」

マジかよ・・・一体誰と話してたんだよ。。。

後から来た釣り人は足跡のことも知っていて防波堤の先端で切れていることも知っていました。

後から来た釣り人「たぶん波に飲まれて亡くなった漁師か釣り人だろうね」「ここで20年以上釣りしてるけど、怖いから夜一人では来ないようにしてるよ」

そこからは示し合わせたようにおじさんの話題は出なくなりました。

釣果もそこそこに無事帰宅

怖い思いをしたせいか一睡もせずに二時間半ノンストップで運転して無事に帰宅しましたが、海に限らず事故はどこかしらで必ずあることですし何なら道路での車の死亡事故の方が多いでしょう。

だからと言って毎度毎度道路で怖い思いをすることもないですから気にせずに釣りを楽しむことにしていますが、やはり立入禁止区域内で釣りをしていたという後ろめたさはあるのでその後もずっと気にはなっていました。

おかげさまで今まで命の危険にさらされるような事故には遭ってないので何かに憑りつかれたとかいうことはないでしょうが、あの時声をかけてきたおじさんは何かを訴えかけていたのかもしれません。

あれからあの港に行くことはあってもあの防波堤に入ったことはありません。

※画像はイメージです

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