ハンドメイドミノーを作り始めて今年で4シーズン目になります。
今は昔と違って専門書などを購入しなくてもネットで簡単に調べることができる便利な世の中ですから、ハンドメイドといえどある程度釣れるルアーを作ることはできます。
では、ハンドメイドミノーを作る際に何を一番大切にしているかは人それぞれで、そこにハンドメイド品において最も魅力的な「個性」という部分が詰まっているものだと思っています。
今回は、その個性というハンドメイドミノーを作る際の自分が思うこだわりや持論をいくつかご紹介します。
ハンドメイドミノーを作る際のこだわり
|
|
ハンドメイドミノーを作る際にこだわる点は多くありますが、ハンドメイドミノーの最大の武器は、バルサ材という比重の軽い木材を使うことでインジェクションミノーには中々真似のできない動きを演出することができます。
その他、ラインやフックアイを作る際のワイヤー、リップ、目玉に至るまで全て手作業で一つ一つ作っています。
ウェイトバランス
ミノーの飛距離やアクションは、ウェイトバランスによって大きく左右されます。
こだわりのあるハンドメイドミノーは、細かなウェイト調整を行い、理想的なバランスを実現するように作っています。
フック
市販のインジェクションミノーは、一般的にトリプルフックが付いていますが、魚に負担をかけることが懸念されているため、多くの人がシングルフックに交換しています。
ただし、シングルフックはトリプルフックに比べて軽量であり、ルアーの動きに影響が出る可能性があるため、ルアーの重量バランスを重視する人もいます。
しかし、ハンドメイドミノーは、シングルフックに合わせた調整をして作ることができます。
貫通ワイヤー
ハンドメイドミノーは強度を保持するために一般的にラインアイとフックアイが全て一体化している貫通ワイヤー式を採用しているものが大半です。
材質は加工しやすいステンレスの針金などを使用している人も多いですが、ミノーのアイは少しの傾きでも動きのバランスが崩れてしまうことがあるため、多少の衝撃程度では曲がらない0.6mmの硬質ステンワイヤーを使用しています。
加工は大変ですが、なるべくラインアイの調整をする手間を少なくするためにこの方法を採用しています。
ミノーのデザイン
ハンドメイドミノーは、手作業で塗装されるため、ペイントの質感やデザインにこだわることができます。
特に、鮮やかな色合いやリアルな模様が、釣果に大きく貢献することがあります。
形状に関しては、最近多い体高の高い独特なセッパリのタイプではなく、ひと昔前の普通の形に作るようにしています。
特に理由はありませんが、独特な形にこだわるとバルサを使う量が増えてしまうので、どちらも釣れるのであれば普通の形で良いと思っているからです。
コーティングのこだわり
バルサ材は非常に柔らかい性質のため外側を硬くコーティングする必要がありますが、バルサの削り出し後の最初のコーティングはコーティング剤に長く漬け込むようなことはせず、すぐに取り出して乾燥に入ります。
これは、バルサの中までコーティング剤が浸みこむことで理想としている重量や浮力を損なってしまうことを防ぐためで、強度を高めるために長く浸ける人も多いですが、自分はハンドメイドミノーにおいてはバルサの浮力が最も重要だと考えているためあえて短い時間で済ませています。
とはいえ、実釣で耐えられる強度は絶対的に必要ですから、塗装前と最終コーティング時はかなりの回数のディッピングを行っています。
ミノーのカラー
自分もそうでしたが、初心者の頃ってどうしてもナチュラル系のミノーを好む傾向が強いと思います。
当然、自然の環境にいる魚を狙うのですから、そのフィールドに生息しているであろう小魚であったり虫に似たカラーのルアーをチョイスしたくなるものです。
では、なぜ自然界にはないようなカラーのミノーが存在するのか?
ただ魚を釣るだけならボディを蛍光色に塗ったものに黒や赤などのドットを入れるだけで十分トラウトは反応してくれます。ただ釣ることが目的なら塗料や塗り方に拘る必要はなく、油性のマジックなどで塗るだけでも十分釣れるルアーを作ることができます。
しかし、ルアービルダーや我々のようなメディアの運営者は、ハンドメイドミノーの魅力について多くの人にに興味を持っていただくことも必要であり、作り手ならではの美しさや独特な個性を出すことで、魚を釣るだけでなくアングラーの所有欲を満たすための視覚や心に訴えかける必要もあります。
これらのこだわりを持ったハンドメイドミノーは、アングラーの要望に応えるだけでなく、大量生産品にはない作り手のアイデアや技術が詰まった逸品として、今も廃れることなく多くの人々から愛されています。
スイムチェックのこだわり
実際の渓流では流れの強弱や深さ、障害物の有無など、よりリアルに作成したミノーの動きを確認することができるため、スイムチェックは止水では行わず渓流域での使用を想定して実際の渓流で行っています。
幸いなことに地元が道内でも多くのアングラーに知られる名流が流れる街なので、仕事が終わった後の夕方など気軽にチェックしに行けるところが良く、稀にフックの付いていないテスト中のミノーを50㎝はあろう大型のトラウトが追いかけてくるシーンも見られます。
ハンドメイドミノーを製作していて一番大切にしていること「まとめ」
ハンドメイドミノーの魅力とこだわりについてご紹介しました。
ハンドメイドミノーは、バルサ材の軽さや手作業での細かな仕上げ、ウェイトバランスの調整など、個々の作り手のこだわりが詰まっています。
また、シングルフックの使用を想定した調整や貫通ワイヤーの採用、カラーリングの美しさなど、市販品にはない独自のアイデアや技術も特徴です。これらの要素が組み合わさり、ハンドメイドミノーは釣果だけでなく、アングラーの所有欲や感性を満たす逸品として愛されています。
|
|
コメント
コメント一覧 (2件)
ザンマイのパクリじゃんww
無知で恐縮ですが、「ザンマイ」というのはルアーメーカーさんのことでしょうか?
もしそうでしたら、パクリだと否定的なご意見をいただいたことに対し、むしろ光栄なことと思います。
パクリという表現が正しいかどうかわかりませんが、物事には参考にする物が必ず存在しています。
初めてサッカーボールを作る場合、サッカーボールというものを知らなければ作ることはできません。
教育もそうです。小学校で先生が1+1=2というものを教えてくれて、子供たちはそれの真似をして算数というものを覚えます。
社会人になって仕事をする時も、先輩や上司に教わりながら仕事を覚えていくもので、自分一人で何もかもできる人など存在しません。
理屈で返すような内容となってしまいましたが、貴重なご意見としてありがたく頂戴します。