北海道は紅葉の時期に入り木々の葉も少しずつ色付き始めてきました。
北海道は禁漁がない(ヤマメ以外)ため一年を通して渓流釣りができますが、季節の進み具合で左右されつつも自分の中では10月いっぱいくらいまでと思っています。
秋は越冬するまでにたくさんの餌を食べなければならないし、冬の間深場でじっと春を待つ渓魚たちにも休息が必要ですからね。
今年に入って本格的にハンドメイドミノーを作り始めて今シーズンは九割以上をハンドメイドミノー縛りで釣りをしてきました。
結果的には大成功で始めたばかりの素人が作ったものでもちゃんと魚は釣れますし、時には市販のミノー以上の結果を出してくれることもありました。
そこで、1シーズン自作のハンドメイドミノーで渓流釣りをしてきてわかったことを書いておこうと思います。
ハンドメイドミノー製作過程
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ハンドメイドミノーはバルサ材という工作用の木材をルアーの形に整形して作ります。
バルサ材はとても軽い素材のため重心を取るためのバランスと飛距離を出すためにウェイトを入れる必要があります。
ウェイトは安価な鉛のガン玉を使用しており、入れる位置や量によってルアーの動きは大きく変わるので作る人によって様々だと思いますが、自分の場合は一般的な位置に入れた後に少し細工をしています。
ルアーを分解すればすぐにバレますが秘密の細工は今の所秘密にしておきます(笑)
ウェイトを入れた後はカッターや鑢などを使ってルアーの形にひたすら削ります。
削った後はセルロースセメントという樹脂でコーティングし鱗模様のアルミを貼った後再度コーティングをし初めて塗装に入ります。
塗装後は塗装が剥がれないように再度コーティングをしリップをつけて最後にフックをつけて完成となるわけですが、完成するまでには全部で70工程ほどの作業が必要で、一個のミノーを作るのに早くても一週間ほどかかります。
完成といっても実際に川で投げてみてまともに泳がないものは使われることはなくただのゴミになってしまいます。
ハンドメイドミノーを作るメリット
形や重さの正確さや誤差のない安定感は市販のミノーが最も優れていますが、ハンドメイドミノーは自分の思い通りの形や重さが作れるというところに最大のメリットがあるのかなと思います。
極限まで重量を軽くしたフローティングミノーが作れる
例えば、2g台のフローティングミノーなんて市販品では中々ありませんが、バルサで作るハンドメイドミノーはたやすく作れてしまいます。
特に夏以降流れの早い瀬に付くことが多くなる時期、渇水で水深がほとんどないような場所では市販のシンキングミノーだとリップが底の石を叩いたり根掛かりしてしまったりしますが、2g台のフローティングミノーは流れに負けることなく水面直下をブリブリと泳ぐことができるため夏から秋にかけての渇水状態の渓流では非常に活躍します。
僕はベイトタックルなので技術的にも2~3g台が限界ですが、スピニングタックルだと1g台のフローティングミノーで攻めることができるので、攻められる幅はかなり広がりますよね。
どんなカラーも思うがままに作れる
始めたばかりの頃はできるだけ小魚に近い色をチョイスしがちになりますが、どういうわけか自然界ではありえないようなカラーでもよく釣れるので魚は色よりもルアーそのものの動きで食ってくるようです。
世界に一つしかないルアー
塗装に失敗したため下地を白一色にしてビーシュリンプ柄にしましたが、あまりにもみすぼらしいので眉毛を書きました。
釣果のポイントはこの眉毛だったかもしれませんね。
聞こえはかっこいいですが世界に一つしかないということは同じものは作れないということになります。
型を取ってウェイトも同じく入れて全く同じように作ってるつもりでも、完成後は別物になるのが大半でブリブリ泳ぐものやヒラヒラと漂うように泳ぐものなどと、出来上がりには差が出ますが稀にものすごくいいものができることがあります。
そのようなルアーはどこのフィールドでも魚を出してくれる宝物となります。
ハンドメイドミノーのデメリット
ハンドメイドミノーは数多くの工程を行う割に完成度が低く、完璧なミノーを一発で作れるのは皆無といっていいでしょう。
劣化が早い
ハンドメイドミノーは基本的にバルサ材という柔らかい工作用の木材を削って作るもので、市販のミノーに比べて強度は低くコーティングを施して外側を強化しいてもやはり使っていく内に光沢がなくなったりしていくもので、大事に使っていても1~2シーズン持てばいい方だと思います。
初期投資が大きい
暴露しますが資材や機材を集めるのに10万円近く使いました。
コーティングに使うセルロースセメントは1000ml入りの缶で2500円以上しますし、その他バルサ材なども消耗品の中では結構高いので中々買いだめもできず無くなりそうになったら買い足しています。
塗料やコーティングは有機溶剤なので外に排気ができる塗装ブースや塗装するためのエアブラシ、それを動かすコンプレッサーも必要なので、実際に始めるとなると初期投資は結構かかりますし臭いや音も出るので場所も選びます。
今後は種類を増やしていく予定
現在三種類の型(47㎜・53㎜・60㎜)で制作を行っていますが、今後は湖や海で使う大型トラウト用のミノーの製作もやってみたいと思っています。
サクラマスやアメマスの経験はあまりありませんが、いずれは本格的にやってみようと思っているので自分のミノーがどのくらい通用するのか試してみたいところです。
まだ塗装もそれほど上手くなく無難なカラーしか作っていませんが、工芸品のような感覚で作れるようになりたいですね。
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