ライフジャケット(救命胴衣)を着けて釣りをするのはダサいの?

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釣りに限らず屋外でのアクティビティには危険がつきものです。

登山にしてもロッククライミングにしても釣りにしても、絶対に安全という保証はありませんが、自己責任論が常識化している現代の風潮の中で、果たして自己責任という言葉で片づけられるのでしょうか。

主観になりますが、実際に釣り場を訪れるとライフジャケットの着用率は一割に満たないように思います。

特に田舎の漁港などではライフジャケットの着用率は限りなくゼロに近い状態です。

目次

ライフジャケット(救命胴衣)とは何か?

ライフジャケットは安全に釣りを楽しむためのものです。

釣りやマリンスポーツなどの水辺で楽しむアクティビティの他、飛行機にも緊急時用として装備しているもので、最近は漁業関係者の間でも着用が進んできています。

主に釣り用に販売されているものは落水時に体が沈まないようにするための物で、釣具店やインターネットで簡単に購入できます。

ライフジャケット(救命胴衣)の重要性

釣りは水辺の遊びですから、時には思いがけない事故も発生することがあります。

足を滑らせたり転んでしまった拍子に海に落ちてしまったなど、万が一の時に命を助けてくれるもので、H29年度の海上保安庁のデータでライフジャケットの着用の有無による生存率は以下の通りです。

  • 未着用 約50%
  • 着用 約70%

釣り全体でのデータなので、釣り場の環境やジャンルによっても差があると思われますが、港の岸壁など落ちたら上がってこられないような所ではもっと生存率が下がるでしょう。

そして、不運にも助からなかった場合、遺体を捜索し発見される確率はライフジャケットを着用していたほうが発見される確率はグンと上がります。

自分の好きなことをして死ぬのはある意味幸せなことかもしれませんが、捜索にはたくさんの人手とお金がかかりますし、残された家族や友人のためにも是非着用するようにしたいものです。

誰もライフジャケットを着けていないのに自分だけ着けるのは格好悪い?

自分がよく行く港はライフジャケットを着用している人はほとんどいません。

そんな中で一人だけライフジャケットを着けて釣りをしているのはダサいですか?

かつては自分も多少恥ずかしさはありましたが、今は恥ずかしいなんて気持ちは全くありません。

港で自分一人だけライフジャケットを着けて釣りをしていてもバカにされたことはないですし、落ちてしまって助かったとしても結局自己責任論で揶揄されたりするくらいならライフジャケットを着けてバカにされる方がいいと思って釣りをしています。

ただ、どこでもかしこでもライフジャケットを着用しなければいけないという偏ったモラルやマナー信者にはならないよう注意は必要で、時々見かけますが危険度の低い水辺でも事故が起きると他の人が迷惑するからライフジャケットを着用しなければいけないという意見をいう人がいますが、度が過ぎれば水たまりでも着用しなければならなくなりますし極論を言えば入浴時にもライフジャケットが必要になりますよね。

個人的には水に入らない場合でも腰より水深のある場所で釣りをする場合は着用していますが、渓流に関しては危険を回避するという意味では度合いが別物なので着用していません。

また、ライフジャケットとフローティングベストの違いについて口論している人も稀に見かけますが、どちらにもそれぞれメリットやデメリットはあるので種類で区分分けするよりも、浮力や耐久性などその商品のスペックを把握した上で安全性を判断するのがベストです。

ライフジャケットの選び方

遊漁船で釣りをする場合は「TYPE A表示」などといった定められたものを着用しなければなりませんが、一般的にオカッパリと呼ばれる港やサーフなどの水際での釣りの際は定められたものを着用する必要はありません。

基本的に釣りのジャンルなど用途に合わせたものを着用するのがより安全を確保でき、落水時に頭を浮かせて呼吸を確保できる浮力は7.5㎏とされるため、7.5㎏以上の浮力を持つライフジャケットの使用をお勧めします。

固定浮力式

いわゆるベストタイプの物で、中に浮力体が入っていて水中へ転落時に即座に体を浮かせてくれるものです。

メリット

  • 価格が安い(数千円~)
  • 小物などを収納するポケットが付いているものが多い
  • 丈夫でメンテナンスの必要がない
  • 落水時瞬時に浮き上がる

デメリット

  • 特性上厚みのある素材なので身体の動きを妨げる
  • 気温が高い夏は暑い
  • 車内などの収納時にかさばる

膨張式(肩掛けタイプ)

形はベストタイプですが、落水時にインナーが飛び出して膨らむというシステムです。

メリット

  • 浮力固定式に比べて体の動きを妨げにくい
  • 浮力固定式に比べて気温が高い時もそれほど気にならない
  • コンパクトで収納時にかさばらない

デメリット

  • 価格が高い(10000~)
  • メンテナンスが必要(使用期限切れなど)
  • 誤作動に注意(操作ミスや車内放置など高温時のガスの噴出など)
  • 落水時に岩や障害物などに引っ掛けるなどしてインナーが破損すると浮力が得られなくなる

膨張式(腰巻タイプ)

肩掛けタイプと同じインナーが飛び出して膨らむ仕様ですが、腰に巻いて使用するため肩こりが辛い人は腰巻タイプを使用する人が多いです。

※道産子海老はこの商品を使用しています。

メリット

  • 身体への接地面が少なく暑さが軽減
  • ファッション性を損なわず動きやすい
  • コンパクトで収納時にかさばらない

デメリット

  • 価格が高い(10000~)
  • メンテナンスが必要(使用期限切れなど)
  • 誤作動に注意(操作ミスや車内放置など高温時のガスの噴出など)
  • 落水時に岩や障害物などに引っ掛けるなどしてインナーが破損すると浮力が得られなくなる

自動膨張式と手動膨張式の違い

膨張式ライフジャケットの中には粗悪品があり、インナーが最後までちゃんと膨らまなかったりするものもあるので、価格が高くても安全性のしっかりした国産品の使用をお勧めします。

自動膨張式はセンサーが付いていて落水時に水に反応して自動でインナーが膨らんでくれるものですが、手動膨張式は自分の手で紐を引いてガスを噴出させる必要があります。

よって、転落時に岩などに頭を打ち付けたり水中でパニックになった時には自分で紐を引くことはかなり困難なので、価格は高くなりますが自動膨張式の使用をお勧めします。

自動膨張式はセンサーが付いているため、サーフや湖などで深くウェーディングするとセンサーが反応して勝手に膨張してしまうことがあります。

ガスの交換だけで3000円以上かかるので、ウェーディングする場合は浮力固定式のライフジャケットを使用するか、深くまでウェーディングしないようにします。

落水して溺死するまでの恐怖

落水して溺れた人は必ず浮上しようと暴れます。

その間、人は浮いたり沈んだりを繰り返しながら手足をバタバタさせ、息をするために必死に水面に顔を出そうとしますが、どんなに体力があっても暴れていられる時間はわずか数十秒と言われています。

体力が尽きてしまうと浮いていることができず大量に水を飲み込むことになりますが、その間も息を吸おうとするため肺に大量に水が入り呼吸ができなくなります。

落水時に動転して呼吸数が増え脈拍が速くなると、身体に血液を送る速さも早くなるので、肺が機能していないと血中の酸素濃度は急激に下がり、脳細胞が破壊されるなどして意識がなくなった後ただ静かに水中を漂うだけとなりその後数分で死亡します。

落水時に周りに気付いてくれる人がいてすぐに救助されれば助かる可能性もありますが、救助される前に意識を失ってしまってはもう手遅れとなります。

その時にライフジャケットを着用していたら、無駄に体力を消費せずにわずか数十秒で無くなる意識を数分持たせることができれば助かる確率もグンと上がります。

仮に、ライフジャケットを着用せず死亡してしまった場合、溺れた恐怖の後に三途の川を渡るという皮肉な結末にならないよう、安全対策をしっかり行って釣りを楽しみましょう。

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