インターネットの普及に伴い釣り場の情報が手に取るようにわかるようになった昨今。
釣具店や雑誌、新聞などで情報を集めていた昔に比べると、誰かの発信により釣り場は常にリアルタイムで更新されているため、情報提供から実際に人が集まるまでの早さは加速化しています。
個人レベルでの情報公開といえど影響力は大きい
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チャンネル登録者が少ないとかフォロワーが少ないから情報を公開したところでさほど大きな影響はないと思う人は多いと思いますが、リアルタイムで有名釣り場での釣果を上げるとやはりアクセスは上がりやすい傾向にありますし、対象魚の時期によっても大きく変動します。
これにより釣りをしている動画を観て楽しんでいる人がいる一方で、釣れている場所を探しているユーザーが積極的に情報を検索していることがわかりますが、リアルタイムじゃなく数年前などの過去の情報にも同じことが言えます。
釣りユーチューバーのモラル
他の釣り人がいる中大声で騒ぐだけならまだしも、断りもなくカメラを回しそれを動画としてYouTubeにアップロードすることを良く思っていない釣り人も多くいます。
人気の釣り場で釣れているシーンを上げれば再生数はかなり稼げますが、そこにいる釣り人全員が自分のことを知っているわけではありませんし、中には静かに釣りをしたい人もいます。
そして、万が一顔などが映ってしまった場合はモザイクをかけるかカットするなどの対策を取らないと、肖像権の侵害となり訴えられる可能性もあります。
僕も釣り動画を上げていますが、他人が映りこんでいる場合はカットするかモザイク処理をしていますし、そもそも人が大勢いて他人様の迷惑となるような撮影などはしません。
動画編集をしたことがある方はよく知っていると思いますが、特定の対象物にモザイク処理を行うのはとても大変な作業ですから撮影する気にもなりません。
釣り人が集まるところはトラブルも多い
白老港を例に挙げると、以前から死亡事故や釣り人のマナーなど様々な問題を抱えていました。
そして2021年1月の死亡事故発生を期に完全に釣りが禁止となりました。
もしこれが釣り場ではなく道路だったとして「ここは交通事故多発地帯で過去に何度も死亡事故が起こっており、今回新たな事故が発生したため自動車の通行を禁止にします」とはなりませんよね?
道路と釣り場は違うだろ?という意見もあると思いますが、実際の所、港は釣り人に対して結構寛大な考えを持っているところが多く、ソーラス条約などよほどの理由がない限り立入禁止や釣り禁止の措置は取らないことが大半ですから、白老港に限らず港全体が完全釣り禁止となるということは相当深刻な問題と考えるべきです。
大昔、海や山はゴミを捨てる場所として扱われてきた過去があり、マナーやモラルのない人は高齢者に多いのはそのせいもありますが、そもそも、釣り場という表現をするのは釣り人が勝手にそう言ってるだけで、港は湾港関係者の仕事場ですから、実際の釣果をインターネット上で公開することにより釣り人が増え混み合ってくると、どんなに釣り場のマナーやモラルを守ってと呼びかけたところで、車の運転同様必ず一人や二人くらいは残念な人が現れます。
誰もが知っているような釣り場の公開について
初めて海の投げ釣りをしたのは小樽港でした。
その時はカレイが三枚も釣れたので嬉しくて持ち帰ってから揚げにして美味しくいただきました。
小樽港は北海道の釣り人なら誰もが知っているような有名な釣り場ですが、多くの人が知っている有名な釣り場の情報くらいは良いんじゃないか?という意見も聞かれます。
しかし、有名釣り場といえど釣れない時期は人もゴミも少ないですが、釣れ始めるとたちまち大勢の人が訪れるようになります。
人気の小樽港厩町岸壁では工事関係者の車両が多く行き交い、釣り人の駐車によってそこで仕事をする人にとっては気を使うシーンも多いと思います。
情報を公開することによって人が集まりそこで働く人たちに迷惑が掛からないように配慮することも大切ですし、誰でも知っているから場所を公開しても良いんじゃないか?とか、場が荒れるから良くないという意見はあくまでも釣り人目線での話であって、湾港関係者や地元住民にとっては迷惑でしかありません。
同じく有名釣り場の苫小牧西港勇払ふ頭は元々海底は砂地で根があるような場所はほとんどありませんでしたが、釣り人を排除するためなのか海底に金網を沈めたと地元の年配釣り師から聞いたことがあります。
範囲は一部分ですが、そのせいか一部だけ釣り人が減った印象です。
最後に
インターネット上の釣り場の公開については賛否両論ありますが、他の釣り人を対象に釣果自慢でマウントの取り合いをするその前に、地域住民がいたりそこで働く人たちからしてみれば迷惑に思っている人もいるということを認識し、情報公開に関してはそろそろ真剣に考えなければいけない時期に差し掛かってきているのではないでしょうか。
はっきり言って釣りという趣味は、魚の口に傷をつける残酷な行為であって、後ろめたいものと自覚することが釣りをしない人達に対しての共存の手段の一つであると思っていますが、それもある意味釣り人中心の勝手な意見の一つといえるのかもしれません。
人気の釣り場が相次いで立入禁止となっている現状は、釣り人がゴミを放置したり人が集まりすぎて普段からその場所を利用している地元の人たちからの苦情があるからです。港や浜で清掃活動している素晴らしいアングラーもいるのは確かですし、釣り人がいるから海がきれいだという見方をされるようになるのが一番理想的なのですが、残念ながら港を汚しているのは釣り人だという見かたはまだまだ根強く、今後も立入禁止になる港は増える一方でしょうし、漁港以外の商工業港に関しては全面的に釣り禁止の方向へ進むと思います。
自分もYouTubeに動画を上げていますし限定的な場所の公開も行っている過去があるので偉そうなことは言えませんが、今後は管理釣り場や釣り船、その他近隣施設にメリットがある場合などを覗いてインターネット上での限定的なピンポイントの釣り場の公開は一切行わずに動画を上げていこうと思います。
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