カレイの投げ釣りを始めてもう20年以上になります。
腰を悪くしてからは年に数回の釣行となってしまいましたが、釣行回数が少ない分一回の釣行を大事にするようになったようで、ムキになって何が何でも大漁してやると意気巻いていた若いころに比べてここ数年の方が釣果が上がったという何とも不思議な現象が起こっています。
今回は、そんなカレイの投げ釣りに使う竿の硬さ(反発力)による釣果への影響を書いてみようと思います。
初心者の方はもちろん、新しく竿を買い替えたりグレードアップしたいと思う経験者の方にも役立つ内容だと思うので、最後まで読んでいただけると嬉しいです。
竿の硬さが与える釣果への影響
よく硬い竿はアタリを弾いてしまい魚の乗りが悪くなるという人がいますが、経験上トラウトのルアーフィッシングなど、バイト時に即フッキングが必要な釣りでは確かに影響しやすいです。
20年以上カレイの投げ釣りをしていて、硬い竿は釣果が落ちると感じたことはありませんが、一般的に硬い竿が不利だと言われている内容を挙げてみます。
竿先のアタリが取れない
カレイのアタリは、大胆に竿先を揺らすこともあれば、繊細で微妙な動きの場合もあります。
硬い竿だとその影響が顕著に表れるため、針にカレイが食いついても竿先が動かずアタリを見逃してしまうことも多くあります。
硬い竿はカレイが違和感を感じて食い渋る
カレイの捕食は一気に食いつくのではなく、危険がないか確認するために、何度も吐き出したり口に入れたりすることがあります。
特に低水温期の活性が悪い時はその影響が顕著に表れるため苦戦を強いられることが多くあります。
全体的に強すぎるセッティングが原因
実際に33号以上やBX以上の竿でやっていて「硬い竿はカレイが全然釣れないよ~」って方は、使用しているラインや仕掛けなどのバランスを見直してみると良いと思います。
PEラインを使っている
基本的にカレイの投げ釣りは遠投が有利なので、できるだけ遠くに飛ばすためにPEラインを使っている方が多いと思います。
PEラインは飛距離が出て非常にメリットの大きいラインですが、ラインの伸びがほとんどないので、カレイのアタリは明確に出ることがありますが、カレイが違和感を感じて食い渋ることも確かにあるでしょう。
硬い竿にPEラインを使うことで釣果に与える影響
アタリが明確に出やすいが故に、初心者の方は完全に食い込んでいないうちに合わせてしまういわゆる「早合わせ」になりがちになります。
特にカレイの投げ釣りは、大きくアタリが出た場合でも、実際は完全に食い込んでいないことも多いです。
カレイという魚は、食い逃げする魚ではないので、じっくり待ってからリールを少し巻いて次のアタリを待つ「聞き合わせ」をしてから合わせると良いでしょう。
特に硬い竿にPEラインを使い、ハリスの動きがダイレクトに道糸に伝わるような胴突き仕掛けで、ハリスにフロロカーボンを使えばどこもかしこも強い釣りになってしまい、小魚がちょっと突いただけでもアタリが出てしまいますから、カレイが食う前に合わせてしまうこともあるでしょう。
小魚が食えないような大きな針や餌を使うことも有効ですが、クッションの役割として力糸やハリスにナイロンを使用するのもお勧めです。
硬い竿でカレイを釣るには?
普段から実釣時間が長めだったり磯に入ることが多い方は、25号やDX以下などの柔らかめの竿の方が、体力の温存や足場の悪い場所での投擲がしやすくなるので良いと思います。
足場の良いところでとにかく遠投したい派の方は、30号やCX以上の竿をお勧めします。33号、BX以上の硬さでも釣果に大差は出ません。
体力的に厳しいので手放してしまいましたが、毎年日本海のマガレイ狙いでスピンパワー並継の405BXを使用していても食い渋ることはありませんでしたし、20㎝以下のマガレイでもしっかりアタリは取れます。
カレイのアタリは竿先の動き以外で見る
PEラインはアタリが明確に出るのでとても使いやすいラインですが、前アタリまで拾ってくれるので、どうしても早合わせになりがちです。
初心者の方は、完全に食い込む前に合わせてしまうことがあるでしょう。
食いが立ってる時は手返しが良く効率的な釣りになりますが、潮の動きや風の向きなどで、今まであったカレイのアタリがさっぱり来なくなり、カニや小魚しか反応しないことも珍しくありません。
また、大型のカレイほどアタリが小さく、本アタリを見極めるのが難しいので、竿先が上下に動くようなアタリだけでなく、張っていた道糸の緩みや竿の立ち具合で食い込んだかどうかを判断すると釣果はグンと伸びるでしょう。
セッティングの見直しをする
どうしても食いが渋く前アタリしか出ないような状況では、PEラインではなくナイロンラインがお勧めです。
適度に伸びのあるナイロンラインは、張りがそれほど強くないため、餌を食うのに躊躇しているカレイにも違和感が少なく食わせられるでしょう。
ナイロンラインは、4色(100m)以上の距離を投げるとアタリが出ないことが多くなるので、前述の通りラインの張りや竿の立ち具合を見たり、聞き合わせをしてアタリを見ます。
慣れてくると魚が付いているか簡単に判別できますし、魚以外に海藻やゴミ、ヒトデが付いているのもわかるようになります。
カレイの投げ釣りに硬い投げ竿は不利ではありません
本記事では、硬い竿がカレイの投げ釣りに及ぼす悪影響と、それをカバーするための方法を紹介しました。
- 強風時でも竿先がぶれにくいのでアタリが取りやすい
- 重いオモリを背負えるので潮が早い場所で勝負できる
- 比較的遠投に有利
もう一度結論を言うと、硬い竿でも柔らかい竿でも、それぞれの特徴に合わせた釣り方をすれば、どちらも遜色ない釣果が期待できるということです。
「硬い竿買って失敗したなぁ~」なんて思っている方も、せっかく買った竿なのですから、本記事を参考にして、ぜひ「釣れる竿」に育て上げてくださいね!
もちろん柔らかい竿で明確なアタリを楽しむのもカレイの投げ釣りの醍醐味ですが、硬い竿が釣れないというわけではなく硬い竿にも大きなメリットはあるので、色々な竿の硬さを比べてみるのも楽しいと思います。
唯一硬い竿のデメリットを挙げるとするならば、一日中振り続けるには相当な体力が必要というくらいでしょうか。
最終的には場所はもちろん時期や潮回り、天候を重視した方が良い釣果に恵まれることが多いですが、毎週末良い条件になるとは限りませんよね。そんな厳しい条件下でカレイを狙う場合でも、普段と違うところに着眼点を持つと貴重な一枚をゲットできるかもしれません。

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