森のクマさんから人間様へのお願い

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こんにちは

主に山間部で活動中の森のクマです。

今日は私から皆さんにお願いがあって知り合いの道産子海老さんに代筆していただいています。

人間の皆さんにとっても私にとってもとても意義のある内容だと思うので最後まで読んでくれたら嬉しいです。

目次

私たちは山深い奥地でいつも静かに暮らしています

私たちは静かでたくさんの植物がある山の中に住んでいます。

でも寒い冬は食べるものが無くなるので穴の中に入って静かに休むことにしています。

なので食べられる植物がある時はできるだけたくさん食べて太らないと冬を越せずに死んでしまいます。

特に春は人間様も私たちも大好きな山菜が芽吹く季節。

もちろん山菜は私たちだけの物ではありませんが、普段人間様がいないところに人間様が現れると私たちは驚いて人間様に危害を加えてしまうことがあります。

それは、私たちクマはとても怖がりなので急に自分より強そうな生き物が現れるとそこから逃げられる自信がないので、命がけで戦わなければならないからです。

私たちも気を付けながら生活をしていますが、山に来る時はあまり奥に入らず大きな音を出しながら来てくだされば私たちも気付き次第すぐに退散します。

食べ物の援助は要りません

人間様は時々山の中に食べ物を置いて行ってくれることがあります。

人間の食べ物はとても美味しくて栄養がたくさんあるので私たちクマにとってもとても嬉しいことです。

ですが、人間の食べ物があまりに美味しくて仲間のクマが人間様に貰いに行こうと山を下りたところ、鉄の檻に入れられて殺されてしまいました。

親切にしてくれた人間様に会いに行ったのに殺されるなんてとても悲しいです。

人間様の食べ物に手を出すと殺されると聞いたことがありましたが、私たちクマはほとんどが人間様に会ったことがないので、人間様がどのような生き物か知りませんし何をしてくるのか想像もつきません。

でも、生きるためには食べ物を探す必要があり、一度人間様が置いていった食べ物を拾うとあまりの美味しさに人間様の近くで食べ物を探すようになってしまいます。

人間様も命を守る必要があるので私たちクマに対して攻撃をしなければならないのはわかりますが、私たちの住む山の中に食べ物を置いていかなければ私たちクマは一生人間様の食べ物の味を知ることはないので人間様の住んでいるところまで行く必要も機会もかなり少なくなります。

出典:鵡川町公式HP

私たちクマは生きるために食べ物を盗むこともあります

人間様は暖かい季節になると、広場でメロンやトウモロコシなどたくさんの食べ物を採っているのを知っています。

夜になると人間様がいなくなるのでこっそり食べに行くことがありますが、お腹が空いて仕方がない時は明るい時でも命がけで食べに行くことがあります。

昼間は人間様がいるので気を付けながら行動していますが、急に現れると攻撃しなければならない場合もあります。

ですから、人間様の食べ物だとわかるように私たちクマが近づけないような工夫をしてください。

知り合いのクマは、人間の近くの食べ物を探しに行くと柵があってそれを超えようとするとビリビリと痺れてとても怖かったので、あれ以来行くことはなくなったと言っています。

私たちの山を壊さないで

人間様は時々私たちの住む山に何かを作っていくことがあります。

作り終わったら人間様がいなくなるので静かになりますが、しばらくすると他の人間様がたくさん来るようになります。

人間様が作ったものは川を濡れずに渡ることができたり歩きやすくなったりととても便利ですが、そこにあった私たちの食べ物が無くなってしまいます。

人間が来ると小川が湖になったり、筍や蕗が生えない乾いた硬い地面になります。

大きな鉄の塊が走るところでは私たちクマは生きていくことができません。

なので、私たちクマは他の土地へ移動しなければならなくなりますが、他の土地には人間様より恐ろしい他のクマがいて、運が悪ければ殺されてしまいます。

先日、殺された仲間は静かに暮らす場所を探すため一度山を下りて違う山に行く際に「サッポロ」というところで人間様に鉄の弾で撃たれて死んでしまいました。

山にはたくさんのクマがいて、結婚シーズン以外はそれぞれが一定の距離感を持って暮らしていますが、人間様が近づいてくるとその場から引っ越さなければいけなくなり、他のクマに合わないようにするためには危険を冒してまで人間様の住む場所を使って移動しなければならないこともあります。

もし山で私たちを見かけたら

  • 不必要に近づいてきたりしなければ私たちは攻撃することはないので静かに見守っていてください。
  • 探したり車で追い回したりしないでください。
  • 声が聞こえるくらい近づいてしまった場合は、静かに私たちの方を見ながらゆっくり離れてください。
  • もし攻撃しなければならないほどの至近距離に近づいてしまった場合は大きな声で怒鳴りつけてください。
  • それでも攻撃をやめない場合は反撃して自分の身を守ってください。少々打たれたぐらいでは私たちはケガをすることはありません。

一番大切なことはお互いに会わないことです。

そのためには山の奥深くに来ないこと、そして音で知らせることです。

足跡や糞など、山では私たちなりに存在のシグナルを残していますので、もし見つけた場合はすぐに安全な場所に戻ってください。

それでも万が一ばったり会ってしまうことがあるかもしれません。

その時のためにクマ用の撃退スプレーを持ち歩いてください。やむを得ない状況は誰にでもあります。

本来そのようなものを使って私たちに危害を加えらることは嫌ですが、私たちが人間様に危害を加えてしまうと人間様の中で最も恐ろしいハンターという人が来て、私たちを追いかけ回して関係のない仲間まで殺しに来ます。

最後に

クマの立場になってクマとの遭遇時の危険性と回避方法を書いてみましたが、いかがだったでしょう。

本来クマの生息地に足を踏み入れることのないのが望ましいことですが、特に北海道内は農村地帯の過疎化や土地の半放棄などでクマの生息数が増加傾向にあり、やむを得ず人里近くに生息しなければならない若いクマも増えています。

渓流釣りに行く際に思うことがあります。

過疎化が進んだ地域は特に道路や河川の周りにゴミが多く、住居周辺の土地もかなり荒れていて夏には人の身長以上の草丈の藪が広がっています。

不用意な遭遇を避けるためには、ゴミの放置や不法投棄を無くすことはもちろん、住宅周辺の整備はもちろん、休耕田畑の定期的な整備または完全放棄で自然に返すことがクマとの人間との生活圏の境界線をはっきりとし、人里にクマが近づきにくい(近づく必要のない)環境を作り未然に事故を防ぐきっかけになると思います。

駆除を行って個体数を調整することが全てではなく、クマを含めたすべての野生動物が自然によって淘汰され自然にバランスが取れていくことが望ましいことだと思います。

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