釣魚の正しいキャッチアンドリリースの考え方

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釣りの起源は約4万年前の旧石器時代に始まった食べるための漁から発達したと言われていて、江戸時代には日本でも娯楽のために釣りが始まっていたそうです。

釣魚のリリースは資源保護の観点においてもとても大切なことですが、何度か釣りを経験すると釣った魚をリリースするのか持ち帰るのかという問題に直面すると思います。

個人的には食べるためならキープすれば良いし食べないならリリースすれば良いと全くもって無責任な発言しかできませんが、結局のところ釣りをすることで魚の命を奪ってしまったりする可能性は誰も否定はできないところだと思います。

目次

リリース派とキープ派、どちらでもない派がいる

純粋に食べたいから釣るという行為が本来の釣りの醍醐味だと個人的には思っていますが、釣り人全員が釣った魚を全て持ち帰ってしまっては資源はすぐに枯渇してしまいます。

そんな流れからキャッチアンドリリースという言葉が生まれ、釣るという行為だけを楽しむことができる管理釣り場などが普及してきました。

結局のところ釣り人の間で議論したところで、法律などで規制されているもの以外は全て個人の考え方で決まるので、キープしようがリリースしようが正しい答えを導くことなんてできないです。

国内の特定外来種に指定されている魚種(ブラックバスやブラウントラウトなど)についてはリリース(再放流)が禁止されている場合もありますが、話しがややこしくなるのでこれはこれで違う問題と捉えることにします。

中にはどちらでもない派の他に、あまりにも知識の乏しい人がいることも確かで、残念なのは状態問わず釣った魚を逃がすことだけがキャッチアンドリリースだと勘違いしている人がいるところです。

リリースするなら生かして返すことを心がけるのが鉄則

キャッチ&リリースはリリース(逃がす)ことを前提にしている釣りですから、生きている状態で逃がすのは当然ですし、逃がした後も生き続けることができることを想定した釣りをしなければ意味がありません。

これは総じて初心者の方に多いのですが、対象魚のサイズや食性に対して適切な釣り方をしていないことです。

食い渋り対策と称して針やルアーのサイズをどんどん小さくしていけばもちろん釣れやすくなりますが、大きな魚が小さい針に掛かれば飲み込んでエラを傷つけたり胃袋まで到達してしまうこともあるでしょう。

胃袋まで針を飲み込んだ魚を無理やり針外しで外せば大抵の魚は死んでしまいますし、管釣りでもルアーのサイズには大小それぞれに制限があり、これを守らなければルール違反になります。

メモリアルフィッシュが釣れた場合など、画像に収めるためリリースに時間がかかってしまうケースも確かにありますが、適切に扱えばそれほど魚にダメージを与えてしまうものではありませんし、リリースを前提に釣りをする一番大事なことは、口に針を掛けてからリリースするまでの間にいかにダメージを軽減してあげるかということです。

そういった釣りを目指すと釣り自体はどんどん難しくなりますが、それでいいじゃないですか。

リリースしたいのにリリースできない場合

口の奥深く、針が食道や胃袋まで到達してしまうと、針を外している間に確実に魚は弱ってしまいます。

特にカレイなどは針を飲ませて釣ることが多い釣りですから致し方ない部分でもあります。同じカレイでもマコガレイやクロガシラカレイなどは比較的弱りやすい種類のカレイですから、食い渋りと理由づけて針のサイズを下げて釣るのはいかがなものかと。

カレイの投げ釣りではほとんどが15号の丸セイゴという針を使用していますが、15㎝程の小さなカレイでも針が飲まれることがあります。もちろん手遅れになるような致命傷を負ったカレイに関しては持ち帰り美味しく頂いていますが、12号などの小さな針を使用するよりは針が飲まれるケースは極端に減りますから、リリースするなら釣る前からできる対策はそれなりにあります。

針を残したままリリースを推奨

魚種や針の掛かり方などのダメージの状態にもよりますが、魚の体内に針が残った状態でも90%以上の確率で生存が可能で、針を外すことが困難なほど奥深くに刺さった場合は、無理に針を外さずに糸を切ってリリースした方が生存率が高いというデータが出ています。

特に海では時間と共に針が錆びて折れるなどして魚が自ら針を吐き出すこともありますし、消化管を通り肛門から排出されることもあります。

あえてキャッチしないのも一つのリリースの方法

最近は渓流で小さい魚が掛かった時はランディングせず針に掛ったまま魚が暴れて自分で針を外すのを待つことが多いですが、キャッチしなくても魚に傷が付かないのであれば、それが本来のキャッチ&リリースの在り方だと思って楽しんでいます。

もちろん針が外れない場合はランディングして針を外してからリリースしてますよ。

キャッチアンドリリースは決して偽善行為ではない

釣りをしない人にとっては、食べるつもりがないのに魚の口に針を掛けて傷つける行為を否定的に感じてしまうことも多いものです。

しかし、釣りをしない人も、元々あった木々や草花を伐採した上に家を作り、虫や微生物を殺すために農薬を使った野菜を食べ、週末には山を切り開いてハゲ散らかしたゴルフ場で汗を流す。伐採した山は吸水率が下がり、大雨が降ると付近の川は度々氾濫を起こします。氾濫して家が流されないように川には魚が遡上できないような砂防ダムを作っていることを知らないのです。

ですから、我々釣り人がどれだけ環境や生命に対して配慮した行動を取ったところで、理解されることは少ないと思います。

生き物の命を危ぶむ行為は命の大切さを学ぶ機会

命の大切さについては、実際に自然に触れることなく本や映像で学ぶことはできますし、頭で想像するだけでも自然環境に配慮した行為ですが、より近い環境で触れることこそが本当の意味で生き物に対する考え方を学ぶ行為だと言え、一度自分で手にした魚を再び自然に戻すキャッチアンドリリースはその手段の一つと言えます。

自然に無関心な人達が溢れる社会の方がよほど危険

皆が大好きな夢の国ディズニーランドが、建設前は何がどのようになっていたのか考えて楽しんでいる人はほとんどいないでしょう。

もちろんディズニーランドを否定する気は全くありませんが、家でゲームや勉強ばかりしている人より、子供の頃に水辺で魚を捕まえたり昆虫採集をしたりして、たくさんの生き物を殺してきた人の方が、実際は自然の大切さを理解していると言えます。

合理性のみを追求すれば釣りを禁止にすれば良いですし、娯楽施設の建設もやめればいいだけですが、人間にとって大切な営みの一つである「娯楽」はある意味必要悪でありますし、人にとってディズニーランドも釣りも大切なレジャーの一つといえます。

最後に

キープ派の方には全く興味のない話だと思いますし、他人にキャッチアンドリリースを押し付けるつもりもありませんが、リリース派の中にはリリースの在り方について真剣に考えるアングラーも多いことを知っていただけたら嬉しいです。

釣った魚をどうするかという議論よりも、釣った魚のその後の運命をどのようにするのが最適なのかを考えるのが釣り人として大切なことなんじゃないかと思います。

食べないなら死なないように扱ってあげることも大切。食べてあげるのも命のありがたさを感じることができる貴重な機会。

また、釣魚を持ち帰る際はその場で締めて氷水などで冷やした状態で持ち帰るのが一番鮮度を保ったまま保持できる方法なので、苦しい時間が長くならないようなるべく早めに締めてあげてほしいと思います。

最近YouTubeでも渓流釣りの動画が多くなってきたので見る機会も多いのですが、釣り上げたヤマメを乾いた岩の上に置いてサイズを計測したり、散々弄り回した挙げ句、口に手を突っ込んでバス持ちしたり、酷いものはフィッシュグリップで魚を掴んでいるものもあります。そんな状態でリリースしてひっくり返ったまま流されていくニジマスが無事に生きていられる確率は極めて低いでしょう。

そのリリースのしかたじゃ確実に魚はいなくなるよとコメントが書かれていたりもしていますが、批判や中傷と捉えるのではなく、あくまでも指摘であって、動画投稿者は真摯に受け止めるべき事実である場合も多いものです。

趣味なので楽しいのが前提ですが、命を扱う遊びなので生かすも殺すも何が良くて何が良くないかをしっかり学び考えることが大切だと思います。

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