リールカスタムによるパフォーマンスの向上とリスクについて

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ここ10年ほどで見る機会が非常に多くなったリールのカスタムパーツ。

見た目はもちろん、性能面でも純正品を凌ぐパフォーマンスとして販売されているものも多く、純正品では飽き足らず様々なカスタムを施して自分だけのオリジナル仕様として楽しんでいるアングラーも存在します。

しかし、純正品以外のパーツを使うリールのカスタムは、性能面の向上などのメリットだけではなく、デメリットも存在するのも確かです。

今回は、リールのカスタムによるメリットやデメリットを中心に、リールの状況によるカスタムの必要性についても解説していきたいと思います。

目次

リールカスタムはリールのパフォーマンスを上げるための手段の一つ

リールのカスタムは、元々の純正状態からさらなるパフォーマンス向上を目指して行われる「改造」のことです。

カスタムの方法は、主に部品の交換によるもので、各メーカーから様々な部品が販売されていて、これらの部品を使ってリールの性能や機能をカスタマイズすることができます。

見た目の変化

ハンドルやスタードラグなどの交換により純正品にはない派手な外観を手に入れることで、自分だけのオリジナル仕様のリールで釣りができるといった所有欲を満たすことができます。

遠投性能の向上

初心者の方でも手軽に行えるのがスプールの交換です。スプールの交換にはリールの軽量化や遠投性能の向上などのメリットがあります。

特にベイトリールでは、スプールの軽量化によって飛距離が向上するという利点があります。最近の純正品は以前と比べて品質が向上していますが、それでもカスタムパーツへの変更を選ぶアングラーも多いです。

各機関の動作の向上

ベアリングを交換することによってハンドルの巻き心地が向上し、より繊細なアタリを捉えることができたり、水中の障害物へ対しての感度がアップするなどのメリットがあります。

リールカスタムを行うことによるメリットとデメリット

リールのカスタムは、本体の軽量化や、ベアリングやスプールなどの簡単なパーツ交換をするだけでも性能が飛躍的に上昇することがあります。

しかし、リールのカスタムは決して良いことばかりではなく、時と場合によってはパフォーマンスが低下してしまう場合もありますし、メーカーサポートを受けられないというリスクもあります。

特に内部の機関については、純正品以外のものを使用すると、全体のバランスが崩れてしまい、部分的に負担が掛かってしまうこともあります。

「メリット」性能がアップする

最も効果が高いリールの性能アップ方法はベアリングの追加やグレードアップで、純正品よりも性能の高いベアリングに交換したり、ベアリングを使っていない機関にベアリングを追加することで、各部の回転性能やリールの巻き心地が良くなり、その恩恵として感度がアップします。

特にスプール自体が回転して仕掛けを飛ばす仕組みのベイトリールに関しては、性能の高いベアリングに交換することで飛距離が伸びるといった恩恵もあります。

「メリット」古いリールでも部品が調達できて性能アップができる

多くのメーカーは製品のサポートを10〜15年で終了し、その後はメーカー修理ができなくなります。

しかし、希少価値の高い旧型のハイエンドモデルやオールドリールの場合、互換パーツを提供しているパーツショップなどを利用することで修理やカスタムが可能です。

時代の進歩により、最新のエントリーモデルのリールが高性能となり、10年以上経てば当時の最新技術を搭載したリールも性能的に劣ることが大半です。

しかし、アンバサダーのようなオールドリールを愛好するアングラーにとっては、カスタムによって外見は古まっていても内部は最新の高性能リールに蘇らせることができるのです。

「デメリット」メーカーの保証・メンテナンスが受けられない

携帯電話などは故障した際、docomoやSoftbank、auなどといった契約している携帯電話会社に直接依頼することが大半ですが、メーカー以外にも民間の修理業者が存在していてメーカーよりも安く直してもらえるケースがあります。

しかし、メーカー以外で修理した際は、その後メーカーの保証や修理を受け付けてもらえないことがあります。

釣り具も同じように、純正品以外のパーツに変更されている場合は、保証はもちろん修理を断られることもあります。

「デメリット」リールの寿命や耐久性が下がる場合がある

メーカーがリールを開発する際、全体のバランスを調整することで耐久性を高く保つよう設計しています。

パーツの交換により飛躍的に性能がアップしたとしても、全体のバランスが崩れてしまうと、耐久性が下がりリールの寿命が短くなったりすることがあります。

「デメリット」パフォーマンスが下がることもある

たとえ適合する機種でのパーツ交換をしたとしても、純正品とは違う形状のものを使用することでパフォーマンスが下がってしまうことがあります。

特にパーツの重量については、軽量化することによってキャスト時のバランスが悪くなり、余計に飛距離が出なくなったりコントロールが難しくなったりすることもあります。

リールのカスタムはした方が良いのか良くないのか

リールのカスタムにはメリットとデメリットがありますが、それが本当に必要なのか、または純正のまま使用した方が良いのかという疑問については、メーカーは自社製品を使ってほしいという立場から推奨しません。一般のアングラーの多くは、「好みによる」という回答が一般的です。

つまり、カスタムするかどうかは個人の好みによる選択となりますが、すでにメーカーからはカスタムされた状態のリールも多く発表しており、アングラーの選択肢は以前よりグッと広くなったので、外観部以外では純正品で十分満足できるスペックのリールが多くなりました。

メーカー自身もカスタムされた状態のリールを発表している

ベイトリールでは通常投げられないほど軽量なルアーをスムーズに投げるために、最初はマニアの人々がシャロースプールを軽量化するための加工を行い、それがベイトフィネスのムーブメントの始まりとなりました。

現在シマノからは、BFS機としてわずか10g以下のシャロースプールを標準装備したリールが発売されていますが、これらのリールは、ベイトフィネスの原点となったカスタムの方法であるシャロースプールの軽量化をメインにメーカーが製品化しています。

シマノの各BFS機のスプール重量

  • SLX BFS:約9.2g
  • スコーピオンBFS:約8.9g
  • アルデバランBFS:約6.6g
  • カルカッタコンクエストBFS:約6.7g

20メタニウムとメタニウムシャローエディション

また、2020年最も売れたと言われる20メタニウムも、その派生として、遠投もでき軽量ルアー向けでありながら、多少重量のあるルアーも扱えるといった欲張りな使い方も可能なメタニウムシャローエディションが登場しました。

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リールのカスタムに向いていない機種

シマノやダイワは違う機種でも多少互換性があるパーツもあるので、移植という形でカスタムすることができる機種もありますが、上位互換となると純正品以外のパーツが大半です。

初心者向けのエントリークラスのリール

渓流ベイトフィネスを楽しんでいることから、シマノのベイトフィネス用リールを例にします。

最下位機種であるSLX BFSをカスタムして、より高い遠投能力や使いやすさを向上させようと思う方もいますが、各種ベアリングやスプールの交換をするとなると、上位機種であるスコーピオンBFSを遥かに超える金額になってしまいます。

SLXにしかない機能があったり、SLXのデザインがよほど気に入っていてSLX以外使いたくないという方にはお勧めしますが、カスタムを前提に購入するなら最初から上位機種であるアルデバランBFSやカルカッタコンクエストBFSを狙っていった方が後悔は少ないはずです。

最新式のハイエンドモデル

グレードによって左右されますが、当然古いモデルよりも最新式のモデルの方がより性能が高いので、カスタムを前提に購入するよりハイエンドモデルを購入して純正の状態で使用するのが最も経済的です。

しかし、ハンドルノブやクラッチカムなどの直接自分の手指に触れる部分に関しては、フィーリングが非常に大事な部分でもあるので、この限りではありません。

海外の激安製品

最近はベイトフィネスに対応するような超軽量スプールや、国産のハイエンドモデル機種と変わらない数のベアリングを搭載した激安のベイトリールが販売されていますが、その多くは中国製品で、剛性の部分でも個体差が激しくメーカーサポートも全くされていないような粗悪な製品も存在します。

元々カスタム好きで内部の構造を熟知しているような方には良いですが、安い海外製品をカスタムして国産メーカー並みの性能を求めようとするなら、たとえエントリー向けでも初めから国産メーカーのリールを純正状態で使用する方が長く使えるためコスパが良い場合もあります。

リールのカスタムを行う際にはリスクとメリットをよく考慮しましょう

今回は、リールのカスタムをすることによるメリットとデメリットを中心に、カスタムの効果や純正品の性能についても解説しました。

リールのカスタムについては、車のカスタムとよく似ていて、エンジンや駆動系のパワーアップなどの内部的なカスタムの他に、車高調整、エアロパーツやタイヤのインチアップなどの外観的ドレスアップが人気のように、リールについても外観を変えたり内部の性能を上げたりすることが可能です。

個人的にはハイエンドモデルを内部は純正状態のまま外観は控えめに変更をするのが好みですが、20メタニウムについては内部のギアの故障によりオーバーホールをしたついでにベアリングをかっ飛びチューン仕様に変更しています。

もちろん飛距離はグンと伸びるようになり満足な使用感を得ていますが、リールについては日々のメンテナンスでより良い状態を維持することも大切です。

良い状態を維持していても現状満足できない状態でリールを使用している方は、カスタムも良いですがよりグレードの高いリールの購入を検討をしてみるのも一つの選択肢となります。

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