「自然公園法改正案」人が野生動物に餌を与えることによる悪影響

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ヒグマの生息地で有名な北海道知床では、以前から観光客による野生動物に対する不必要な接近や餌を与える行為が問題視されていて、国立公園・国定公園を対象とした「自然公園法の一部を改正する法律案」が令和3年3月2日(火)に閣議決定されました。

目次

動物愛護と野生動物の観点の違いについて

動物に餌を与える行為は、人間が餌を与えることにより自力で餌を捕ることが難しくなってしまうことで動物が本来持っている野生の本能を狂わせてしまう可能性があり、場合によっては自力では生きていけなくなることもあります。

動物愛護法の基本原則にある「すべての人が「動物は命あるもの」であることを認識し、みだりに動物を虐待することのないようにするのみでなく、人間と動物が共に生きていける社会を目指し、動物の習性をよく知ったうえで適正に取り扱う」といった観点から、野生動物に対しても意識して生活していかなければなりません。

基本的に飼育下の生き物は、飼い主が愛情をもって生涯を全うさせる義務がありますが、野生動物はあくまでも生きていくために人間が手助けをする必要はありませんし、むしろ人間が手を出すことによって本来の生き方を見失ってしまうことがあるということを理解していかなければなりません。

野生動物の駆除について

地球上で生態系の頂点に立つのは人間ですから、人間が支配するのは当然です。

人間もそうですが、野生動物は常に生きるために必死であり、その土地で自分が生きて子孫を残すためには敵を排除しなければなりませんし、異同種関係なく戦い時には殺し合うこともあります。

その対象が人間であった場合も同じで、自分のテリトリーに侵入した生き物に対し野生動物は躊躇なく攻撃を仕掛けることがありますが、それは人間側の対処次第でお互いが平和に共存することは可能です。

そのためには人間が住む場所に動物を寄せ付けない方法を取るのが前提であり、人が襲われてから猟友会に依頼して駆除するのは非常に効率の悪い方法と言えます。

ヒグマとの共存方法

人間が勝手にヒグマの生息地を侵略した結果だという意見は多いと思います。

しかし、人間は地球上で生態系の頂点に立つ生き物ですから、地球という膨大な単位で考えるならば、生きていくためには力を持って制圧するのは自然の摂理ですし、かつては侵略するために戦争を起こし自分たちの繁栄を目指した過去があります。

しかし、唯一人間だけができるのはお互いの主張を話し合いで平和的に解決することで、野生動物にはできないのですから強い者に制圧されるのは当然な流れであります。

そして、人間は相手を観察し研究することで無駄な争いをせずに共存するという高度な知能を持っているため、野生動物に悪影響となる野生動物に対しての餌やりの禁止や動物を寄せ付けないための住宅地の整備などで野生動物との一定距離を保つ術を学んできました。

しかし、観光客や地域住民の中には無知で無責任な行動を取る人がいるのは確かで、人間からの餌付けやゴミを漁るようになったため人間を恐れず近づきすぎたヒグマを駆除しなければいけないといった例も多数あり、言わば危険なヒグマは人間が作ってしまったという例も多くあります。

野生動物への対処

北海道は身近な野生動物が多く、中でもヒグマに関しては三毛別事件のような痛ましい過去もありますが、本来ヒグマは非常に憶病で山奥で静かに暮らしている生き物です。

普通のヒグマはほとんどが動画のような行動を取ります。

しかし、人間が残した食料の放置などが原因で、人間のそばに行けば食べ物を見つけられるといった学習をしてしまうヒグマも稀にいて、そのようなヒグマは人間を怖がらず民家近くを歩き回り人間に対しても危害を加えてしまうことがあります。

そのようなヒグマは駆除の対象となってしまいますが、知床町では動物の侵入を防ぐための電気柵を設置し、ゴミ収集もヒグマが破壊できないような鉄製の頑丈なものに入れるようになっていて、財団と地域住民の協力によってヒグマの被害は最小限に止まっています。

しかし、世界自然遺産に登録されてからは観光客が大勢押しかけてヒグマの生息地を観光し過去には餌を与える人もいました。

そのような無知で無責任な行動が原因で、人間を恐れないヒグマを人間自らが作ってしまい駆除の対象となってしまうのです。

ヒグマに限らず、観光客に人気のキタキツネはエキノコックスという寄生虫を媒介する非常に危険な野生動物だと道民は子供の頃から教育されていますが、キタキツネに関しては人間を恐れない個体は市街地にも多く出没します。

実際に釣りなどで山を歩いていると後を付けてくるキツネはいますが、野生動物が人の後を付けるという行為は異常だと言えます。

遠目に様子を伺っているだけならまだ良いですが、警戒心の欠片もないような近づきすぎるキツネに対しては遠慮なくこちらから威嚇しています。

可愛そうですが人間に警戒心を持たない方が野生動物にとっては危険なのです。

警戒心を持たない野生動物がいるのは観光客の餌付けによるものだけでなく、住民が餌付けをしていたりゴミの放置も原因の一つで、道民ですら当たり前を守れずにいるのが現状です。

生き物を可愛がり大切にする気持ちはとても尊いものですが、野生動物に対しては深く関与せず一定の距離を保つべきで、ヒグマの駆除に反対する偏った思想の動物愛護者達は野生動物よりも人間のエゴで野生化した犬や猫などを問題視するべきではないでしょうか。

野犬を保護し飼育している人もいる中で、わざわざ北海道の最果てまで来て野生のヒグマに餌を与えるような人たちがいることに矛盾を感じます。

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