オショロコマは北海道に生息するイワナの亜種で、別名カラフトイワナとも呼ばれています。
オショロコマは、イワナ属の特徴である胸ビレや尻ビレの前方が白く染まる他に、ヤマメやイワナなどの他のトラウトに比べてパーマークの数が多く形がいびつな個体が多いのが特徴です。そして最もわかりやすい特徴の一つに体側に白点に混じる朱点があることです。
最大で30㎝程度と小柄な部類のトラウトですが、やはりイワナ属ともあり捕食が下手なせいもあってしつこくルアーにアタックしてくる姿を楽しませてくれる魚種です。
若い頃からそのオショロコマの存在を知ってはいましたが、自分の住む道央地区には生息してはいるもののあまり馴染みのない魚種で、本格的に狙うとなれば日高山系の本支流や道東がメインの釣り場となり、まだ釣ったことのない魚種なので試しに狙いに行ってきました。
本流に注ぐ支流のインレット付近から入渓しオショロコマを狙う
久しぶりの藪漕ぎですが、すぐ横は大型車がビュンビュン走る国道なのでクマの痕跡がないことを確認し強行突破。
この川は昨年道東に遠征した時の帰りに寄った支流ですが、その時は雨による増水でなにも釣れなかったので今回はリベンジ戦となります。
オショロコマは運動神経が悪い?
遊泳力があまり強くないのか瀬の中にはオショロコマの姿はほとんど見えず、30㎝ほどのニジマスばかりが掛かります。
どうやらオショロコマは流れのきつい瀬はあまり好きではない様子。
狙うポイントを変えてすぐに魚信を確認するが
ルアーにはアタックしてくるものの、捕食が下手で猫じゃらしにじゃれつく猫のような動きでルアーの周りをチョロチョロするばかりで、中々フッキングが決まらず序盤から5回ほど連続でバラシが続きます。
ドラグを緩々にして向こう合わせ状態でやっと掛かるも、イワナ特有のクネクネ系の動きで簡単にフックを外されてしまいます。
入れ食い状態だが中々フッキングしないオショロコマ
岩の後ろなどを丁寧に探るもオショロコマの気配はなく、浅く岸際の流れが死んでいるポイントをダウンで丁寧に探るとオショロコマが一斉に飛びついてきます。
なんとかフッキングに成功!
オショロコマの姿は確認できたもののポイントが少なく急流が続くので場所移動
本流の大型ニジマスを狙いにポイントを移動します。
本流部の少し上流に駐車スペースを見つけたので再入渓
本流部は水量豊富で遡行に難儀しながら上流に向かって釣り上がりますが、ここでも掛かるのはオショロコマばかりでサイズが少し上がってアベレージは20~25㎝ほど。
ニジマスの姿はどこ行った?というくらいオショロコマの魚影が濃い川です。
ゴープロの予備バッテリーを持ってくるのを忘れて撮影を断念
記念すべき初のオショロコマ釣行でしたが、ゴープロの予備バッテリーを家に忘れてきたことに気付きここで撮影ストップ。
オマケに今回の釣行のために取り換えたばかりのラインがトラブって再起不能になる始末。ラインを巻き替えればまだ釣りはできますが、時刻も15時を回っており後ろ髪を引かれる思いでストップフィッシング。
初めてオショロコマを釣った感想
写真では何度も見ているので姿は知っていましたが、まだあどけない顔をした生のオショロコマに感動しました。
朱点のあるマスと言えば、北海道では今ではブラウントラウトが最もメジャーなマスとなっていますが、オショロコマは洋マスとはまた違った美しさと儚さがあり、いつまでもこの姿が見られるよう願って車に戻ります。
オショロコマは現在環境省のレッドリストで絶滅危惧種に指定されている希少種と言われています。
今回の釣行ではそれを感じさせないほどの魚影の濃さで、種の存続のために力強く生き抜いている様子を観察することができましたが、生息環境が合わないと同系河川でも他の支流には一切入らない神経質なところもあるそうなので、オショロコマについては釣り人として特に慎重な扱いをしてほしいと願いながらも、オショロコマを狙いに来たのにオショロコマしか釣れないと文句を言って脱渓しました。
オショロコマ狙いに来たのにオショロコマしか釣れないと文句言って帰る(笑) pic.twitter.com/qVH1M0XoxJ
— 道産子海老(自由形)野外活動中 (@PtPT2g02BcUW6k9) July 11, 2022
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