北海道の春の風物詩であるカレイの投げ釣りは、早い年だと三月から釣れ始め、ゴールデンウィークをピークに徐々に釣果が落ちていきます。
特に旬である産卵期のカレイはとても美味しく、初心者にも比較的簡単に釣れる魚種ですが、ガチ勢の意見としては、カレイの投げ釣りは遠投が全てというほど飛距離に対して拘りの強い人が多く、奥の深い釣りでもあります。
- 遠投の有効性
- 遠投用ロッドの仕組みと性能
- 遠投用リールの仕組みと性能
カレイ投げ釣りは遠投必須?
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産卵期のカレイは岸近くに寄ってくるので、港の岸壁などでは足元でも釣れることが多くそれほど難しくない釣りですが、釣れる時は飽きるほど釣れるのに、釣れない時は全く釣れないこともある当たり外れの大きい釣りでもあります。
カレイは底でじっとしているイメージがあると思いますが、潮の満ち引きや月齢による潮の動きなどで、大きく移動することが多い魚種でもあります。よって、条件次第では岸近くから一晩で数百メートルも沖に出てしまうこともあります。
カレイがいない場合はポイントを変えるか探る距離を変えるかの二択
新聞やネットの情報を頼りに釣り場に来て、いざ始めてみると全く釣れない!なんてことが良くありますよね。常連さんに聞いてみても昨日は釣れていたとか先週は良かったとか、いらない過去の情報をもらっても釣れないものは釣れないわけです。
釣れない場所でいつまでもやっていても時間ばかりが経ってしまいますから、場所を移動する方が大半だと思います。しかし、遠投して投げる距離を変えるだけで釣果がアップすることもあるので、遠投ができないよりはできる方が良いわけです。
チョイ投げは探れるポイントが少ない
当たり前の話ですが、30mしか投げられないのであれば30mまでの距離しか探ることができません。実際の所、100m、もしくはそれ以上投げる人は100先のポイントを探っているのではなく、足元から100mまでのあらゆるポイントを細かく刻みながら探っているわけですから、遠投ができるかできないかで比べたらやはり遠投できる方が有利なのは当然のことです。
30m程度のチョイ投げしかしない人は、せいぜい小さな漁港の船道などでしかやらないでしょうが、遠投できる人は、船道だけではなく港内はもちろん防波堤の外側まであらゆるポイントをを広く探る引き出しの多い釣りが可能です。これをチョイ投げでやろうとしたら防波堤に高く積んであるテトラポットにラインをゴシゴシ擦りながらの釣りになりでしょう。
ちなみに僕の投げる距離(100m前後)は本格的な遠投とは言いません。所詮遠投の真似事ですが、防波堤の外側を狙うには十分な飛距離です。
遠投はポイントの選択肢を増やせる
ハイシーズンになるとどこの漁港も人だらけで入るスペースがないことも多く、あきらめて帰るか仕方なく誰もいないような不人気の場所で竿を出すと思います。たとえ釣れないと言われる不人気なポイントでも、遠投することによってカレイの潜むポイントに届くこともあります。
ちなみに僕は混雑しているポイントにはほとんど行かず、時々地元のおじいちゃんが数人来るような不人気な場所に15年以上通っていますが、周りの人が釣れていない時でも自分だけ爆釣することが多く、カレイが多く潜む場所に仕掛けを投げているだけなので、腕の差ではなく道具の恩恵だと思っています。
遠投は道具に頼れば誰でもできる
遠投は遠くへ仕掛けを投げることですから、力いっぱい投げれば仕掛けは遠くへ飛んでいきます。ですが、セット物などの安価で柔らかいグラスロッドでは限界があり、力が分散してしまい100m以上飛ばすことが難しいだけでなく、力に耐えきれず破損してしまうこともあるので、遠投用のタックルを使う必要があります。
遠投用タックルってどんなもの?
遠投用のロッドは、ロッドを振り込む強い力に耐える丈夫さと、仕掛けを遠くへ飛ばす反発力があります。また、空気抵抗の大きい太いラインは飛距離が出にくくなるので、遠投用のリールは細いラインを使用するのでスプール(糸が巻いてある部分)が通常のものより浅くなっています。
遠投用ロッドの性能
遠投用ロッドの性能は、より前方へ投げる力を伝えやすいようにリールの取り付け位置が高くなっているものが多く、より力を入れてキャストしやすいようになっています。また、全体的に硬めにできていて、振り込み時にロッドが曲がった状態から戻るまでの力が強く、ロッドがまっすぐに戻る力が前方に仕掛けを送り出す力をアシストしてくれます。
その他、細かい部分でいえば、ガイドが大きく頑丈な材質でできていたり、振り込みの衝撃でガイドが外れてしまうのを防止するガイドロック機能なども備わっていて、ロッド全体が強い衝撃に耐えられるような丈夫な作りになっています。
遠投用リールの性能
遠投用リールの最も代表的な特徴は、シャロースプールといって細いラインを巻くために浅溝のスプールが装備されていて、スプールエッジとラインの摩擦抵抗が小さく飛距離が出やすくなっています。スプールには適正ラインの号数が記載されていて、適合するラインの種類・太さ・長さがすぐにわかるようになっています。
適正の太さ以外のラインも使用できますが、適正よりも太いラインを使用する場合はスプールエッジを超えない範囲で使用し、適正より細いラインを使用する場合はメインラインの下に使用しないラインなどを使って下巻きを入れるなどの工夫をすると良いでしょう。
ドラグの有無に関しては、サメやエイなどの大物外道が掛かる心配がない地域では特に必要ありません。ドラグ機能を使ったアタリの取り方を好む人もいるので好みで選んでも良いですが、より遠くへ飛ばしたいと思う方は、ドラグなしの投げ釣り用スピニングリールの方がバリエーションが豊富で選びやすいと思います。
まとめ
今回は、カレイの投げ釣りで遠投がいかに有利だということを解説しました。
大型の商工業港などは近年の情勢により軒並み釣り禁止の措置が取られたことから、浜や磯などでカレイを狙う機会も増えてきたと思います。漁港と違って浅い砂浜では飛距離が必要であったり、磯などは砂地までの距離が遠いことも多く、今後はどんどん釣り場が少なくなっていくと予想されることから、カレイの投げ釣りはさらに遠投が有利となるジャンルの釣りになっていくでしょう。
チョイ投げで釣れるから良いとそれで満足している方はそれでいいと思います。ただ、現状の釣果に満足していない方は、足元はもちろん誰も探っていないような沖までと、探る範囲を広くするだけで釣果が何倍にもなることもありますし、釣り場の選択肢を広げるという意味でも、是非遠投にチャレンジしてみてほしいと思います。
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