フカセ釣りやサビキ釣りなどは、撒き餌をを撒いて魚を寄せる釣りが主流ですが、ワカサギ釣りもサビキ釣りなので有効と思う方も多いと思います。
魚を近くに寄せるという意味では、撒き餌はとても有効な手段ではありますが、時には弊害が起こってしまうこともあります。
今回は撒き餌を使ってワカサギを釣る際のデメリットを中心に紹介します。
ワカサギ釣りに撒き餌はNG
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ワカサギは群れで回遊しているので、餌を撒いてポイントに群れを止まらせるのは有効だと思われがちですが、実は逆効果になることの方が多いです。
撒き餌はワカサギ以外の魚も寄せる
撒き餌にはそれぞれの対象魚に合わせた集魚剤を使用していますが、アユのように特定のものだけを食べているという魚種は多くはありません。ワカサギも例外ではなく、ワカサギだけを寄せる撒き餌など存在せず、場合によってはワカサギ以外の外道を集めてしまう可能性も高くなります。
外道の中にはワカサギを追い払ってしまう魚も多い
ワカサギは水中のプランクトンを食べているので、泳ぎながら捕食していることが多く、水底に沈んだ餌にはあまり興味を示しませんが、ワカサギ釣りの外道に多いウグイなどのコイ科の魚は、口が下向きに付いているので水底の餌を食べるのも得意で、沈んだ餌を食べるために長時間止まっていることが多くなります。
よって、撒き餌を撒いて一時的にワカサギが寄ってきたとしても、水中に漂っている餌を食べ尽くしたら警戒心の強いワカサギは大きく移動してしまい、外道だけがそこに定着してしまうといった状態になります。
ワカサギと外道の力関係
ワカサギの体長は約5~10㎝程度で、どちらかというと他の魚よりも弱い立場にあるので、撒き餌を撒いて一時的にワカサギが集まってきたとしても、他の魚も集まってきた時にはワカサギの警戒心が強くなってしまい、釣れなくなってしまうことが多くなります。
管理されている釣り場は撒き餌禁止の場所が多い
管理釣り場などは、環境保護の観点でほとんどの場所で撒き餌が禁止されています。
撒き餌は天然成分だが水を汚すことには変わりない
天然成分なので自然に帰るから大丈夫だと思われがちですが、淡水域は海と違ってバクテリアなどの分解者の数が圧倒的に少なく、特に水温が低い冬は分解者の動きも緩慢になるので、撒き餌をすることによって水が富栄養化し水質が悪化しやすくなります。
水が富栄養化すると、夏にかけて水温が上昇するとともに魚には猛毒となるアンモニアや亜硝酸の他に、魚が即死するメタンガスなども発生します。そして、魚が死ぬことによってさらなる水質悪化が進み、気温の上昇とともに水温が上がることで水中の酸素量も減り、分解者であるバクテリアの数も減ってしまい、いずれは都会の道路脇にあるようなドブ川と同じような環境になります。
禁止されていない釣り場でも撒き餌は控えよう
撒き餌をすることによって水中の有機物を増やすという行為は、生活排水を垂れ流している都会のドブ川と同じです。
最近では、都会の川も水質を改善させ本来の生態系を取り戻そうとする働きが多い中、釣り人が撒く撒き餌についても問題視されているところも多くあります。
釣り人としていつまでも楽しく釣りができるように、環境への配慮についても知っておくべきでしょう。
釣れない時は撒き餌をした方がいいのか?
ワカサギ釣り用の撒き餌はありますが、他の釣りと違うところは、付け餌と撒き餌、ワカサギが実際に食べている餌の種類がまったく違うところです。
撒き餌に使用されている成分は、オキアミなどの甲殻類の他、フィッシュミールなどの魚が主体ですが、ワカサギに使用する付け餌はサシや赤虫なので、同じアミノ酸でも匂いや味も違いますし、ワカサギが実際に食べているのは水中のプランクトンですから、オキアミで寄せてサシで食わせるなんて都合のいい釣りなど成立しません。
「結論」ワカサギ釣りは撒き餌をしない方が釣れることが多い
ワカサギ釣りの情報サイトなどでは撒き餌も効果的と紹介されていることもありますが、詳しく調べたり自分で試したりせずに紹介していることも多いので、参考程度にしておいた方がいいでしょう。
ホッケのウキ釣りなどでは、付け餌や撒き餌とホッケが実際に食べている餌がある程度共通しているので、撒き餌の効果はありますが、ワカサギなどの淡水域での釣りは、水中の栄養価はそれほど高くなく、付け餌だけで十分な集魚効果がありますし、餌を頻繁に変えることの方が釣果が上がります。
よって、ワカサギ釣りに関しては、撒き餌をするよりも手返しを早くして、魚を釣り上げてもすぐに仕掛けを落とし常時餌が水中にあるようにし、寄ってきた群れを散らさないようにすることの方がが大事です。
手返しを早くするには、軽い錘でも仕掛けをスムーズに落とすことができる電動リールを使用するのも有効な手段です。

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