北海道はカレイ釣りのメッカとして、全国からたくさんのファンが釣りに来るほど有名な地域で、早いところでは2~3月には産卵のためカレイの岸寄りが始まります。
カレイの産卵は満月の夜に行われ、産卵場所は潮通しのいい浅瀬や海藻の近くなど、種類によって様々です。
春のカレイ釣りは、この産卵による岸寄りする魚を狙う釣りで、産卵行動に入った個体は餌を摂らないことが多いですが、産卵前と産卵後は普段と変わらず捕食をします。
特に産卵後は荒食いといわれ、体力を回復するために積極的に捕食行動を行うことが多いので、思わぬ大漁に恵まれることも珍しくありません。
- 港内のカレイ狙いの秘訣
- カレイの種類によって釣れるポイントの選び方
- 時間帯や潮回りによるカレイの捕食のタイミング
来シーズンに向けて、港でカレイを狙う際によく釣れる潮回りやポイント、時間帯など、主に投げ釣りに人気のカレイを種類別に詳しく解説していきます。
北海道の投げ釣りで狙える人気のカレイ
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北海道では非常に多くの種類のカレイが生息しています。
その中でも投げ釣りで人気の高い魚種三種をピックアップします。
マガレイ
(食味・釣り味・生息数が多い)三拍子揃った人気のカレイです。
最大で50cm、投げ釣りで狙える平均的なサイズは30㎝前後。
クロガシラカレイ
大きな魚体に縞模様のヒレが特徴のカレイで、50㎝を超える大型の個体は座布団とも呼ばれ非常にパワフルな引きを味わえる人気の魚種です。
最大で60cm、投げ釣りで狙える平均的なサイズは30~40㎝。
マツカワカレイ
かつては幻のカレイと呼ばれた貴重な魚種ですが、養殖事業の成果で徐々に生息数が増加しています。
カレイの中でも最高クラスの食味で、高級魚に位置づけされているカレイです。
成長が早く、最大で80cmを超える魚体も確認されていますが、噴火湾~襟裳にかけての太平洋沿岸では35㎝未満のマツカワカレイはキープが禁止となっています。
カレイがよく釣れる港内のポイント
カレイは産卵のため冬から春にかけて岸寄りし、港内にもよく入ってきます。
港内でも時には思わぬ場所でカレイが釣れることがあるので、積極的に狙ってみるといいでしょう。
実際の港ではありませんが、画像を例としてポイントの解説をしていきます。
マガレイを狙うポイント
マガレイは港内にもよく入ってきますが、外海側の方が数が多く型もいいことが多いので、積極的に遠投で狙っていきたいカレイです。
防波堤外側
外防波堤から外海側を狙って釣ります。
外防波堤は長い距離を歩くので荷物の多い投げ釣りは苦労しますが、長い距離を歩いた分釣果には期待できるので積極的に狙ってみましょう。
テトラポットは大変危険なので、乗らなくても取り込みがしやすい場所を探して釣り座を構えましょう。
テトラに擦れるとすぐにラインが劣化するので、根ズレに弱いPEラインよりもナイロンラインの3~5号の使用をおすすめします。
風の強い日や波の高い日は外海から波が上がってくることもあるので、天候や波の高さに注意して安全対策を怠らずに楽しみましょう。
防波堤内側
外海ほどではないですが、防波堤内側もマガレイはよく釣れます。
船道は船が頻繁に通るため深く抉られていることが多く、マガレイの他に様々な魚種が釣れる面白いポイントでもありますが、船が頻繁に通る時間帯は足元へのチョイ投げに徹して漁師さんの仕事の邪魔にならないようにしましょう。
外防波堤から狙う際には、天候に注意して波が少しでも高いと感じたらすぐに退避しましょう。
釣れやすい時間帯・お勧めの餌・潮回りなど
産卵後は小女子などを食べている個体が多く、イソメで釣果が伸びない場合はサンマを使うと食いがよくなることがあるので、餌はイソメとサンマの両方持っていた方がいいでしょう。
日の出頃の朝マズメが最も食いが立つ時間帯ですが、水深の深い場所や水温の低い時期は日中の方が釣れることもあるので、状況に応じて狙う時間を変えてみるのもいいでしょう。
カレイの産卵は大潮の日に行われることが多いので、大潮前の中潮や小潮か、産卵後は大潮後の中潮や小潮を狙うと好釣果に恵まれることが多いです。
クロガシラカレイを狙うポイント
クロガシラカレイはマガレイ同様外海側でもよく釣れますが、思わぬところに群れで集まっていることもあるので、あまり魅力的に見えないポイントでも狙ってみる価値はあります。
内防波堤や突堤
クロガシラカレイは、潮の流れがあまり早くないところを好む個体も多く、港内の突堤や内防波堤付近もよく釣れます。
特に大型港は港内のかなり奥まで入ってきて産卵することが多く、産卵後も外海へ戻らずそのまま居着きとなるケースもあります。
船揚げ場
ほとんどの人が見向きもしない船揚げ場も、時にはクロガシラカレイが潜んでいることがあります。
基本的に船揚げ場は水深がないので日中の陽が高い時間帯は期待できませんが、夜釣りでは好漁することがあります。
ただ、漁師さんの作業中は邪魔になるので釣りをしないようにしましょう。
港内奥
産卵後のクロガシラが体力回復のために溜まりやすい場所で、適度に海藻や岩などの障害物がある場所が好ポイントです。
水深がある場合は日中の波や風のない日が狙い目で、水深が浅い場所は夜釣りのポイントになります。
夜釣りの場合はルアーロッドにブラクリなどの仕掛けにイソメを房掛けしてテンポよく探っていきましょう。
釣れやすい時間帯・お勧めの餌・潮回りなど
クロガシラカレイの餌はイソメやエラコを使い、口が大きいのでイソメは3~4匹の房掛けにして使います。
塩で締めて使うといいですが、外道が多い場合はエビの粉末などの集魚剤を使うと、小魚にイタズラされてしまい肝心のクロガシラが警戒してしまうこともあるので、食いが立っている時は何も使用せず塩だけで締めたイソメがおすすめです。
クロガシラは比較的産卵が早く2月に入ると岸寄りを始めますが、産卵シーズン以外にもよく釣れ、太平洋沿岸の大型港ではサイズに拘らなければ真冬以外はほとんどの季節で狙うことができます。
マガレイ同様水深や水温で狙い方を変えるといいですが、マガレイほど神経質ではなく、時間帯に関係なく食いが立つことが多いので、じっくり粘ってみるのもいいでしょう。
マツカワカレイを狙うポイント
マツカワカレイは主に噴火湾から根室の沿岸に生息している希少価値の高い高級魚ですが、時期やポイントを合わせれば狙って釣ることができる魚種です。
防波堤外側
マツカワカレイは割と浅い場所に潜んでいることも多いので、遠近投げ分けて探るといいでしょう。
港内の奥まで入ってくることは稀なので、基本的に外海の方が釣果が期待できます。
港外(浜や磯など)
マツカワカレイは日中も積極的に捕食活動するカレイですが、海水の濁りが強いと中々釣果に恵まれないことも多いので、波の穏やかな日を狙いましょう。
かなり岸近くまで寄ってくるので砂浜からの投げ釣りでも充分狙うことができます。
また、マツカワカレイは沢や河川の流入など真水が入っているところも好むため、河口付近もいいポイントになります。
釣れやすい時間帯・お勧めの餌・潮回りなど
ベストシーズンは6~7月
波の穏やかな日を狙います。
真夏には一旦釣果が落ち、9月の下旬ころから再び釣れ始めますが、フグなどの外道が多く台風の影響などでうねりが入ることも多いので、天候が安定し水温の下がる10月下旬~11月頃がおすすめです。
大型の個体は魚食性が強く、餌はイソメなどの虫餌よりもカツオやサンマなどの身餌がおすすめです。
大型かつ口の大きいカレイなので、餌の幅は3㎝くらいにしてもいいでしょう。
仕掛けは専用のものも販売されていますが、通常のカレイ仕掛けでもよく釣れます。仕掛けは好みで選んでもいいですが、小型の個体を釣らないためにも針のサイズは丸セイゴの16号以上がおすすめで、他はチヌやソイ針を使用してもいいでしょう。
港内のカレイの投げ釣りの必須アイテム
竿やリールなどの他に、ここではカレイの投げ釣りで必要なアイテムを厳選して紹介します。
水汲みバケツ
カレイの投げ釣りは結構手が汚れるので、三脚を固定するオモリの代わりにもなるので、海水を汲んだバケツを用意しておくと良いでしょう。
港など水面まで高さがあるような所は、水汲みバケツを利用して海水を汲みます。
スカリ
ロープで吊るして海中に下ろしておくウキが付いた魚籠です。
マガレイやクロガシラは鮮度が落ちやすいので、釣った後はすぐに締めて氷水に入れておきたいのですが、釣れるたびに処理をしていると手返しが悪くなります。時合を逃さないためにも一時的に海中に下ろしたスカリで生かしておくのがおすすめです。
スカリが沈むまでたくさんカレイを釣るとすごい満足感が得られますよ。
スカリは丸型よりも角型の方が収納の面で圧倒的に使いやすいです。
荷物運び用カート
投げ釣りは荷物が多く一度にすべての道具を担いで運ぶのは非常に大変ですが、運搬用のカートがあれば楽に運べます。
カートにクーラーボックスとリュックを括り付けてロッドケースを肩に掛けて運んでいますが、投げ竿・リール・餌・仕掛けやオモリなどの小物類もいっぺんに運べるので重宝しています。
大漁した時は今まで二往復していましたが、一度で運べるようになってからは快適な釣りができるようになりました。
針外し
カレイは針を飲み込む習性があるので針を外すのに苦労することが多くあります。
食道から胃袋まで飲み込んでしまった場合は、普通の外し方では外すことができないので針外しを使用します。
針外しがなく、やむを得ない場合は割りばしなどの細い丈夫な棒などを使い、カレイの口から食道まで差し込みハリスごと反時計回りに回すと簡単に外せますが、確実に魚は死んでしまうので早めに血抜きなどの処理を行いましょう。
※ちゃんとした針外しを使えば魚にダメージを残さずリリースできる場合もありますが、リリース対象となる小型のカレイに針を飲み込ませないためにも、14号以上の針を使うことをおすすめします。
カレイのポイントを知ることで釣果は飛躍的に上がる
基本的に人が多くいる場所はよく釣れる場所ですが、状況によっては誰も釣れていないということもあります。
特に実績の高い釣り場は、釣れても釣れなくても大体人がいるので、釣れていないようなら場所を変えてみるのもいいでしょう。
カレイは朝夕のマズメの時間帯がよく釣れるといわれていますが、場所によっては陽が当たって水温が上がってきた日中の時間帯の方がよく釣れることもあります。
また、港では防波堤の先端ほど釣れると思われがちですが、先端は多くの人が釣っているので、竿抜けしている少し手前の場所の方がいいこともありますし、時期によっては誰も竿を出さないような潮通しの悪い港内奥のワンドなどでも意外と釣れたりするものです。
混雑している港でも、誰もいないような空いている場所で思わぬ釣果に恵まれることもあるので、少し違った目線でカレイ釣りを楽しんでみるといいかもしれないですよ。
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