キャンプといえば夏ですが、7~8月の夏のキャンプ場は混雑していてせっかく静かな場所にいって自然を満喫しようにも中々難しいもので、ベストシーズンを避けてキャンプを計画する方も多いと思います。
特に6月や9月はキャンプをするには適温ですが、梅雨であったり秋雨前線の影響で長雨が続いたりでうまくタイミングが合わないことも多いと思います。
10月以降は秋雨前線の影響も少なくなり天気も安定する良い季節ですが、キャンプなど野外活動をするには少し寒い季節でもあります。
そこで、北海道の冬のワカサギ釣りでアウトドア用暖房器具を使用している経験を踏まえていくつか紹介したいと思います。
燃料の種類
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アウトドアシーンでは、ガス・灯油・薪が燃料の基本になると思いますが、テント内を温めるには安全に使用するための設備を整えてからでないと危険なものもあります。
ガスストーブ
三種類の中では最も安全性の高い燃料ですが、コストパフォーマンスが最も低いのがガスストーブです。
缶の中には液化されたガスが入っていて、専用の接続口を通して気化されたガスを燃やすものですが、缶の中に入っているガスの量はそれほど多くなくOD缶CB缶ともに250g程度です。(OD缶には容量の大きなサイズもありますが、ここでは割愛させていただきます。)
気になる250gのガス缶でどのくらい温める能力があるか、また使用時間(ガスの持ち具合)ですが、使用する暖房器具やテントのサイズなどそれぞれの条件にもよりますが250gのCB缶で1.5~3時間程度、実際のワカサギ釣りでの環境下(外気温氷点下5℃程度ワカサギ用テント内で使用)だと連続使用1.5時間でほぼ使い切ります。
暖房器具を使わなくても日中の日当たりの良い場所なら真冬でもテント内は外気の+5℃程度までは上がりますが、天気の悪い日はほぼ外気温と同じ気温となり、ガスストーブを使用してテント内を温めないと凍えてしまうほどの寒さとなります。
秋~冬のキャンプでは、夜間は暖房以外にテント内の気温を上げる要素がないので当然使用することになると思うのですが、いくら安全性の高いガスストーブといえど換気は必ず行わなければなりません。
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灯油ストーブ
基本的にガスストーブも含めてテント内で火を使う暖房器具の使用はメーカーが推奨するものではありません。
特にワカサギ釣りで一酸化炭素中毒の事故が起こるのは灯油ストーブが原因のことが多く、自己責任という言葉だけでは片づけられない問題です。
ただし、使い方によっては燃費も良く暖房効率の高い灯油ストーブは寒い時期のアウトドアにはありがたい存在でもあります。
例えば、テントの外での作業時やテントの前室で料理をする時など、換気を行いながら使用するなどの工夫をすればとても頼れるパートナーとなるでしょう。
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薪ストーブ
夏以外のキャンプの経験がない人にとってかなり難易度が高いと思いますが、装備をしっかり整えておけばテント内での使用も可能ですし暖房効率も非常によく真冬の雪中キャンプにも耐えられるほどの威力です。
構造は家庭用の薪ストーブの小型版といった感じで、燃焼室で薪を燃やし煙突を通してテントの外に煙やガスを排出するといった形ですが、難燃性の素材で薪ストーブ対応の煙突穴があるテントが必須となるため一気にハードルが上がります。
また、キャンプ場によってはテント内での暖房器具の使用を禁止している場所もあるので、あまり現実的とは言えずどちらかといえば薪ストーブに関してはある程度経験を積んだベテランキャンパー向けの暖房器具といえるでしょう。
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テント内で暖房器具を使用する際の注意点
暖房器具は冬キャンプには必需品ですが、使い方を間違えると大事故となり危険と隣り合わせということを常に意識して使用しなければなりません。
一酸化炭素警報機は必ず設置する
ガス・灯油・薪などの燃料を燃やす暖房器具を使用する際には、換気をしていても一酸化炭素中毒のリスクが高まります。
一酸化炭素中毒は気付いた時には体が動かなくなりそのまま意識を失うケースが多く、手遅れになることも多いので、特に室内で暖房器具を使用する際は一酸化炭素の警報機を必ず使用して、就寝時は必ず消火しましょう。
冬用の寝具や防寒具を使用
暖房器具を使って常にテント内を暖かくしておくことは現実的に難しいですから、服装などでなるべく体を冷やさない工夫をしましょう。
特に、就寝時は暖房が使えないので冬用のシュラフは必須です。
電力を使った安全な暖房がお勧め
日中は焚火や燃料を使った暖房器具で温まることができますが、就寝時はそうはいきません。特に冬の北海道は場所によっては氷点下10℃以下になることもしばしば。
冬のキャンプでもJackeryのポータブル電源を利用すれば電気毛布などを使用できるのでかなり快適性は上がりますし、就寝時以外でも電熱ベストを使用すればテント内が少々の寒くても苦にならないほど暖かく過ごすことができます。
ポータブル電源は災害時の緊急電源として近年注目を浴びています。2018年の胆振東部地震によるブラックアウトで数日間の停電を経験した際、これが真冬だったらと考えると恐ろしい結末になったと予想できることから、すぐに購入しました。
冬キャンプでの使用経験はありませんが、スマホの充電はもちろん、YouTubeの動画撮影用機材の充電やパソコンでの編集作業を行う際もこのポータブル電源が大活躍しています。
まとめ
あまり多くの商品を紹介してもそれぞれに一長一短があるので実際に使用したことのある商品を紹介させていただきました。
何度も書きますが、テント内での燃料を使用した暖房器具を使用することはほとんどのメーカーが推奨しているものではありませんので、細心の注意を払って使用してください。
冒頭で商品の紹介をしておきながら書くのも忍びないのですが、換気しながらアウトドアヒーターを使用するのは非常に効率が悪く、使い方によってはヒーターを使用しないで換気用のベンチレーターを閉じた方が暖かい場合もあります。
危険を冒してまでするのがキャンプの楽しさではなく、決して無理をせず、より安全に自然を楽しむのもキャンプなどのアウトドアの楽しみ方の一つです。
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